★3月28日(木)の米国3市場は、NYダウ:91.87ドル高の25,717.46ドル、S&P500:10.07ポイント高の2,815.44ポイント、NASDAQ:25.79ポイント高の7,669.16と三指数ともに上昇した。一方、米長期金利は、2.40%割れは続いているが2.399%へ上昇(価格は下落)した。『27日付けPERと株価から逆算』して3月28日付け予想PER計算すると、NYダウ:17.00倍、S&P500:17.43倍、NASDAQ:24.25倍と、三指数ともに前日比でPERは上昇した。2011年4月21日以降の平均値は、NYダウ:15.00倍、S&P500:16.59倍、NASDAQ:21.77倍で現在3指数とも大幅に上回っている。このPERを基に28日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.483%、S&P500:▲3.338%、NASDAQ:▲1.725%と、3指数ともにイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)となった。
米長期国債金利は、米国株相場の反発で投資家心理が改善し、安全資産とされる米国債に売りが出た。なお、7年債入札は「順調」と受け止められ、10年債にも買いが入る場面があった。
米長期金利の上昇に加え、米国株が上昇したことでイールドスプレッドは大幅に縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。
昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。
28日(木)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.530%⇒▲3.483%となり縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から0.743%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.414%へ縮小してきている。NYダウは、米中閣僚級貿易協議が北京で再開されたことを受けて、交渉進展への期待から買いが優勢となった。米長期金利がひとまず下げ止まり、利ざや改善の思惑からJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株が上昇し、指数全体を押し上げた。ただ、米10-12月期GDP確定値が予想を下振れとことや、英EU離脱巡る混迷が続く中、指数はマイナス圏に沈む場面もあった。VIX指数は15.15から14.43へ低下した。
S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.384%⇒▲3.338%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。S&P500も割安感が徐々に払拭されていたが、大幅下落で修正されてきている。1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.531%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.607%へ縮小してきている。
NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.764%⇒▲1.725%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.454%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.527%へ縮小してきている。
テクニカル的には、NYダウは、5日SMA25,603ドルを回復したものの、10日SMA25,738ドルと25日SMAの25,773ドルがレジスタンスとして意識される展開となっている。相変わらず気迷いの『十字線』となっており、相場に気迷いムードが漂っている。下値ではダブルトップネックラインとなる3月11日安値25,208ドルや200日SMA25,188ドルが意識されやすい。また、3月11日安値のネックラインを下抜けするとさらに下落調整基調が続きやすいので注意が必要となる。
S&P500は、25日SMA2,800ポイントをがサポートとしてし意識され下げ止まる展開となっている。ただ、10日SMA2,821ポイントがレジスタンスとして意識され上抜け出来ないでいる。再び25日SMAを下抜けると200日SMAの2,756ポイントが視界に入る。
NASDAQも、25日SMAの7,608ポイントがサポートとなり、下げ渋る展開となっている。ただ、10日SMA7,697ポイントがレジスタンスとして意識され上抜け出来ないでいる。
ストキャスティクス(パラメータ:14、5、3、20、80)では、買われ過ぎ域から、三指数ともに%Kが%Dを下抜け継続している。そのため、下落調整局面が継続している。米国金利が一旦下げ止まったことや、米中閣僚級の貿易協議が再開されており交渉進展期待から一時的にリスク選好の動きとなった。しかし、基調的には下押しバイアスも根強く残っている。
2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.343%、S&P500:3.625%、NASDAQ:2.102%も下落時の節目となりやすい。
※毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
★欧州市場朝方の取引では、リスク回避によるドル高・円高の動きが継続され、クロス円が圧迫された。なお、欧州株は高安まちまちで取引を開始した。英国株の上昇を受けた欧州株が持ち直し、リスク回避による円買いは一巡した。節目の110.00円手前で下値の堅さを確認すると、米長期金利上昇に転じたこともあってドルが買い戻された。米長期金利が2.38%台に下げ止まり、ドル買いが一服した。
米10-12月期実質GDPは下振れする一方、米新規失業保険申請件数は改善するなどマチマチの発表ながら初期反応は小幅高の展開、持ち直しの商状となった。米長期金利の上昇やNYダウが110ドル超上昇したこともドル買いの支援材料となった。その後、NYダウがマイナス圏に落ち込むとドル売りがやや優勢になった。NYダウがプラス圏に回復すると110.50円台で下げ止まる展開となった。その後は、対欧州通貨でのドル買いが落ち着き、ドル/円は上値の重い展開となった。
★欧米主要経済指標
・ユーロ圏・3月景況感指数:105.5(予想:105.9、2月:106.2←106.1)
・ユーロ圏・2月マネーサプライM3:前年比+4.3%(予想:+3.9%、1月:+3.8%)
・独・3月消費者物価指数速報値:前年比+1.3%(予想:+1.5%、2月:+1.5%)
・米・10-12月期GDP確定値:前期比年率+2.2%(予想:+2.3%、速報値:+2.6%)
・米・10-12月期個人消費確定値:前期比年率+2.5%(予想:+2.6%、速報値:+2.8%)
・米・先週分新規失業保険申請件数:21.1万件(予想:22.0万件、前回:21.6万件←22.1万件)
・米・失業保険継続受給者数:175.6万人(予想:177.8万人、前回:174.3万人←175.0万人)
・米・2月中古住宅販売成約指数:前月比-1.0%(予想:-0.5%、1月:+4.3%←+4.6%)
・米・3月カンザスシテイ連銀製造業活動:10(予想:0、2月:1)
★欧米市場のポイント
・109.99-110.83円のレンジ相場
・英議会もメイ首相も手詰まりとなりポンド売り
・エルドアン・トルコ大統領発言でリラ売り再開
・米長期金利上昇でドル買い
・米中通商協議への期待が広がりリスク回避後退
・米10-12月期GDP確定値は予想を下回る
・VIX指数は15.15から14.43へ低下
★日経225の日足では、75日SMA(緑線)20,990円とダブルトップネックラインとなる3月11日安値20,938円と紙一重まで下落している。
5日SMA(赤線)21,289円と10日SMA(黄線)21,394円が下向きとなり短期的には下落基調が継続している。さらに25日SMA(青線)までも下向きとなってきたことから、中期的にも上値の重さが意識される。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%Kが%Dを下抜け下落基調となっている。
今晩の欧米市場動向次第ではあるが、75日SMAとネックラインを下抜けするようなら、もう一段の下押しとなる可能性が高まる。
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