★3月26日以降の東京金60分足では、72時間SMA(青線)がレジスタンスとなり、雲の下限を維持出来るかが注目される。各SMAも上から長期・中期・短期と並びかい離幅を広げていることから下落基調が継続している。また、26期間先の先行スパンでは、先行スパン2が先行スパン1の上に位置していることも下落基調を示している。
NY金先物市場は1291.00-1301.70ドルのレンジ相場となった。中国景気減速懸念が後退したことを背景にアジア・欧米株式市場がおおむね堅調な動きになるなど、リスクオフムードが後退し、安全資産となれる金は売りに押された。また、3月米ISM製造業指数の強い結果を受けてドル高が進んだことも、金の売りを後押しした。1300ドルを下回っており、1300ドル近辺には戻り売りの興味が残っている。
価格帯別出来高では、下値で出来高が膨らんできていることから、下押しでは押し目買いが入ってきている。ただ、上値でも出来高が多いことから、戻り基調では買い方からの『やれやれ売り』が上値の重石となりやすい。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインを挟んでほぼ横ばいとなっていることから、トレンドレスの状態となっている。ただ、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%Kが%Dを下抜け両線とも下向きとなっていることで、短期的には下落基調が継続している。
東京金の日足では、5日SMA4,617円や一目均衡表の雲下限が4,618円がレジスタントして意識され上値を抑えている。一方で、75日SMA4,590円や100日SMA4,552円がサポートとして意識されている。三尊天井ネックライン4,591円を挟んでもみ合い相場の様相となっている。ネックラインをしっかり下抜けするようなら、大きな下落基調となりやすいので注意が必要となる。世界景気減速懸念が後退したことや、米長期金利が再び上昇してきたことから売り圧力が強まりやすい。1300ドル近辺では戻り売り興味が残っていることも上値を重くする。為替市場では、日米金利差拡大から円安になりやすい地合いとなってきた。また、世界的な株価の回復からリスク選好の円売りも下支えする。
円安地合いから東京金の下支えとなりやすいものの、三尊天井のネックラインを下抜けしてくるようなら、高値で保有している買い方からの手仕舞い売りが入りやすく、下落基調が加速する可能性も残る。
★欧州市場朝方の取引では、欧州株が全面高、日経先物も70円高に続伸となる中、リスク選好回復を受け、ドル安・円安が持続下。ドル/円は全般ドル安地合いを受け、111.00円近辺でドルが上げ渋った。欧州勢本格参入後も動意は乏しく111.00円台でもみ合い商状を継続した。世界的な株高や米長期金利の上昇がドルの下値を支えた。世界的な景気減速への懸念が弱まり、米長期金利も2.44%台まで上昇したが、ドル買いや円売りは限定的となった。
米小売売上高が予想を下回り、改めて米国の消費減速が懸念されたが、前月が大幅に上方修正されたことで、過度な景気悪化懸念は制御された。その後発表された米3月ISM製造業景気指数が市場予想を上回ったほか、米2月建設支出と米1月企業在庫が予想より強い内容となったことで円売り・ドル買いで反応した。米国株・米長期金利の上げ幅拡大を手掛かりにドルを買う動きが加速した。NYダウ300ドル超高まで上げ幅を拡大した一方で、米長期金利は2.50%を前に上昇が一段落したことでドルの上げも一服した。
★欧米主要経済指標
・英・3月製造業PMI:55.1(予想:51.2、2月:52.1←52.0)
・ユーロ圏・3月消費者物価指数:前年比+1.4%(予想:+1.5%、2月:+1.5%)
・ユーロ圏・3月消費者物価コア指数速報値:前年比+0.8%(予想:+0.9%、2月:+1.0%)
・ユーロ圏・2月失業率:7.8%(予想:7.8%、1月:7.8%)
・米・2月小売売上高:前月比-0.2%(予想:+0.2%、1月:+0.7%←+0.2%)
・米・2月小売売上高(自動車除く):前月比-0.4%(予想:+0.3%、1月:+1.4%←+0.9%)
・米・1月企業在庫:前月比+0.8%(予想:+0.5%、12月:+0.8%←+0.6%)
・米・2月建設支出:前月比+1.0%(予想:-0.2%、1月:+2.5%←+1.3%)
・米・3月ISM製造業景況指数:55.3(予想:54.5、2月:54.2)
・米・3月製造業PMI改定値:52.4(予想:52.5、速報値:52.5)
★欧米市場のポイント
・110.79-111.44円のレンジ相場
・英下院で離脱案の代案が全て否決
・米2月小売売上高は市場予想を下回る
・米3月ISM製造業景気指数は市場予想を上回る
・米長期金利が2.50%へ上昇でドル下支え
・世界経済の悪化懸念が後退しリスク選好
・VIX指数は13.71から13.40へ低下
★豪ドル/円に日足では、概ね下限が77.45円と上限が79.85円のレンジ相場となり、トレンドのない状態が続いている。
Tレート(指数平滑移動平均線8日:赤線)と20日単純移動平均線(SMA:青線)もほぼ横ばいでゴールデンクロス・デッドクロスを繰り返すダマシ相場のような様相となっている。ただ、Tレートと20日SMAを上抜けしてきたことから、上昇基調を維持している。Tレートが20日SMAを上抜けするとレンジ上限までの円安基調となりやすい。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)でも上値を切り下げ・下値を切り上げ徐々に値動きが縮小する展開となっており、三角持合いの様相となってきた。現在%Kが%Dを上抜け、両線とも上向きとなっていることから、レンジの上限に向けて上昇基調となっている。
現状は上昇基調となってきており、レンジ上限を上抜けするともう一段の円安基調となりやすい。
★東京金の一目均衡表日足では、前週に雲の下限を下抜けした。週末夜間取引では戻り基調となったものの、雲の下限4,618円がレジスタンスとして意識され戻りの上値を抑える展開となっている。
また、転換線9日(赤線)が基準線(青線)の下にあり、相場の方向性を示す基準線(青線)が下向きとなってきたことで、転換線が戻りの限界となりやすい。
26期間先の先行スパン1(転換線と基準線の中間値)も下落基調にあり、52期間の高低の中心値となる先行スパン2を下抜けするようなら下落基調が継続する可能性が高まる。さらに、遅行線(緑線)がロウソク足を下抜けており、弱い相場展開となっている。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%Kが%Dを下抜け両線とも下落基調となっており、下落基調が継続していることを示している。
テクニカル的には下落基調となっており、基準線が横向きになるまでは上値の重い展開が続きそうである。また、基準線が下向きの弱い相場展開では、転換線が戻りの節目となりやすい。ただ、為替市場では本邦企業の決算を超えたことで再び111.00円台が視界に入ってきており、東京金の下支えとなりやすい。また、先週末には英国議会でEU離脱案が3回目の否決となっている。そのため、先行き不透明感が強まり『合意なき離脱』懸念も高まりつつある。市場では英国の『合意なき離脱』は織り込まれていないことから、リスク回避の金買いとなる可能性も残る。
★ドル/円の週足では、3ヵ月スパンのトレンド方向を示す13週SMA(赤線)110.35円が微妙な上向きに向かい始めた。先行き上下動を経ながら13週SMAを上抜け維持している限りは13週SMAを下値目処としてドル買い押し目買いと、緩やかなドルの下値切り上げ基調を支援する。
ただ、52週SMA(緑線)の110.95円の攻防となっており、しっかり上抜け出来るかが注目される。上値では26週SMA(青線)111.28円が下向きとなっているこで、レジスタンスとして意識されることや200週SMA(紫線)112.07円も上値目処として意識される。
ストキャスティクス(パラメータ:14、5、3、20、80)は昨年7月13日週がピークとなり、価格は上昇するもストキャスティクスは上値を切り下げるダイバージェンス(弱気)となっていたが、上値を切り上げる展開となってきた。
シカゴIMM投機筋ポジションの3月26日付が公表されたが、2月12日の円ショート(円売り・ドル買い)のボトムから6週連続増加して持ち高▼62,121枚と増加傾向にある。米国の長短金利の逆転を嫌気され一時109円台まで円高が進んだが、投機筋はドルの押し目買いを進めており、円安ポジションの積み上げをしている。
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