FITS エコノミックレポート

5分足で分かるドル/円欧米市場動向 貿易摩擦再燃でドル失速!

 

★欧州市場朝方の取引では、米FOMCを控え、ドルは主要通貨に対して堅調地合いを維持してもみ合いとなった。ポンド/ドル中心に全般的なドル高が進展する中、ドルが再上昇し日中高値を更新した。米長期金利が2.95%付近まで低下し、ドル買いは後退した。FOMCの声明文やパウエル米FRB議長の会見を控え、売り買いが交錯した。その後は、重要イベントを前にポジション調整のドル売りが優勢となった。FOMC結果公表を前にポジション調整の売り買いが交錯し110.40円を挟んでもみ合い相場となり方向感の欠いた動きとなった。

 

米FRBは12-13日にFOMCを開き、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.50-1.75%の範囲から1.75-2.00%の範囲に引き上げることを決めたと発表した。これは市場の予想通りの結果となった。また、経済・金利見通しで2018年の利上げ回数が前回の3回から4回に増えたことが分かるとドル買いで反応した。GDP・物価見通しが上方修正されたことも買いを後押しした。そして、声明では『経済活動が堅調に上昇している』などと伝わったうえ、『FF金利は相当の期間、長期的な水準を下回る状況が続くだろう』との文言が削除されたこともドル買いにつながった。その後、パウエル米FRB議長が定例記者会見で『来年1月から毎回のFOMC終了後に記者会見を行う意向』などと発言した。市場では、米利上げ機会拡大への思惑から110.85円と5月23日以来の高値を付けた。

WSJ紙が『米政府は早ければ15日にも中国製品への関税を準備』と報じると一転してドル売りが優勢になった。NYダウが引けにかけて130ドル近く下げたうえ、日経平均先物の110円安も嫌気され、110.27円まで下げ足を速めた。

 

FOMCではややタカ派的な結果となり、ドル買いが優勢となった。しかし、対中国との貿易摩擦懸念の高まりから一転してドルが失速した。FOMCに関しては事前に織り込まれていた部分があったが、中国への関税賦課については、市場に織り込まれていない報道であったことから、過度な反応となった。米国では、米朝首脳会談や米FOMCの重要イベントが終了したことで、貿易関税などの貿易戦争に市場の注目が移る可能性が高く、行方次第ではリスク回避の動きになりやすい。

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