FITS エコノミックレポート

★欧州市場朝方の取引では、前日の米大統領発言を受け11月米消費者物価指数（CPI）の発表に注目が詰まる中、113.60円付近に小幅上昇した。なお、欧州株は堅調に取引をスタートした。米長期金利が1.51％台で底堅く推移したことを背景に、ドルがじり高に推移した。米2年債利回りが0.724％近辺、米10年債利回りが1.516％付近まで上昇したことを眺めじり高となった。米FRBによる引締め加速が見込まれる一方、ECBはハト派姿勢を維持する見通しからユーロ売り・ドル買いに連れて円売りがやや優勢になった。

11月米CPIはほぼ予想通りの内容となったが、前日のバイデン米大統領の発言を受けて『高めの数字』を期待した向きもあっただけに、マーケットは米債買い・ドル売りで反応した。米12月ミシガン大学諸費者信頼感指数で、予想を上回る結果もインフレ期待指数はピークをつけたとの見方に、米長期金利が低下したことでドル売りとなった。英国のオミクロン株について報道が流れると、小幅にどるの買い戻しが入った。典型的な金曜NY午後の相場となり動意薄となった。ただ、市場は引け値が日足一目均衡表の雲の上限113.31円、同・転換線113.24円を上回るか、下回るかに注目が集まった。

★欧米主要経済指標

・米・11月消費者物価指数：前年比+6.8％（予想：+6.8％、10月：+6.2％）
・米・11月消費者物価コア指数：前年比+4.9％（予想：+4.9％、10月：+4.6％）
・米・11月消費者物価指数：前月比+0.8％（予想：+0.7％、10月：+0.9％）
・米・11月消費者物価コア指数：前月比+0.5％（予想：+0.5％、10月：+0.6％）
・米・12月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値：70.4（予想：68.0、11月：67.4）
・米・12月ミシガン大学1年期待インフレ率速報値：4.9％（予想5.0％、11月：4.9％）
・米・12月ミシガン大学5-10年期待インフレ率速報値：3.0％（11月：3.0％）
・米・11月財政収支：-1913億ドル（予想：-1930.00億ドル、20年11月：-1452.66億ドル）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は113.19-79円のレンジ

・週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売り

・11月米CPIがほぼ予想通りの内容

・高めの数字を期待していただけに米債利回りが低下でドル売り

・VIX指数は21.58から18.69へ低下