FITS エコノミックレポート

★欧州市場序盤の取引では、NYダウ先物が20ドル高に上昇幅を縮小、日経先物も80円安に続落となる中、円売りの勢いは一服した。ドルの下押しは限定され108.50円近辺でドルが底堅さを維持した。NYダウ先物は25ドル安、日経先物は90円安に続落、米長期金利は1.623％付近に小幅上昇した。欧米株価指数はやや軟調地合いとなり、リスク回避のドル買いに振れ、ドル/円の下押し圧力は弱まった。NYダウ先物が164ドル安に続落、米長期金利も1.598％付近に失速すると戻り売りに押された上昇幅を縮小した。

欧州通貨やオセアニア通貨に対してドルの買い戻しが入ったこともあり、底堅く推移した。米長期金利が一時1.57％台まで低下したことを受けて、円買い・ドル売りが優勢になった。パウエル米FRB議長は、4月8日付の上院議員への返答書簡の中で、目標を大幅に上回るインフレは許容しないことを公約した。NYダウが300ドル超安となるなど米国株が軟調で、リスク回避のドル買い傾向が強まった。リスク回避のドル買い・円買いでドル/円は方向感の出ない展開になった。

★欧米主要経済指標

特になし

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は108.01-55円のレンジ

・欧州でワクチン接種が加速するとの見方からユーロ買い

・WHOが集計した4月12-18日の世界の新規感染者は過去最高

・米10年債金利は一時1.554％前後まで低下

・パウエル米FRB議長は大幅に上回るインフレは許容せず

・VIX指数は17.29から18.68へ上昇