FITS エコノミックレポート

★欧米市場序盤の取引では、NYダウ先物が170ドル高、日経先物も90円高に上昇幅を広げる中、リスク選好の円安地合いが持続した。なお、欧州株は全面高で取引を開始した。欧州市場では夕方にかけてポンドが強含みユーロも追随したが、ユーロはその後失速した。その影響でドル・円は小幅に値を上げたものの、107円付近の売りに押された。米長期金利が1.44％台に再上昇となったことにドルが下支えした。NYダウ先物が200ドル超上昇し、米長期金利が1.44％付近で推移していることで、107.00円のドル売りオーダーをこなし、ストップロスをヒットして、107.03円まで上げ幅を拡大した。昨年8月以来の107円台乗せとあって、その後は一旦利食い売りに押される展開となった。

ADP雇用統計を受けて目先は小幅持ち直した。予想には届かなかったものの、前回分が上方修正されており、リスク回避的な動きは強まらなかった。米長期金利が1.49％半ばまで上昇した場面では、107.15円まで買われたが、ロンドンフィキシング前後にドル売りが持ち込まれると107円割れとなった。また、2月ISM非製造業指数が予想を下回ったことも徐々に意識された。米長期金利の上昇は一服したものの水準はまだ高く、米長期金利を支えとしたドル高地合いは継続した。

★欧米主要経済指標

・独・2月サービス業PMI改定値：45.7（予想：45.9、速報値：45.9）
・独・2月総合PMI改定値：51.1（予想：51.3、速報値：51.3）
・ユーロ圏・2月サービス業PMI改定値：45.7（予想：44.7、速報値：44.7）
・ユーロ圏・2月総合PMI改定値：48.8（予想：48.1、速報値：48.1）
・ユーロ圏・1月生産者物価指数：前年比0.0％（予想：+0.1％、12月：-1.1％）
・英・2月サービス業PMI改定値：49.5（予想：49.7、速報値：49.7）
・英・2月総合PMI改定値：49.6（予想：49.8、速報値：49.8）

・米・2月ADP雇用統計：＋11.7万人（予想：+20.5万人、1月：19.5万人←+17.4万人）
・米・2月サービス業PMI改定値：59.8（予想：58.9、速報値：58.9）
・米・2月総合PMI改定値：59.5（速報値：58.8）
・米・2月ISM非製造業景況指数：55.3（予想：58.7、1月：58.7）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は106.76-107.15のレンジ

・英予算案で追加の経済対策が明らかに

・米長期金利が上昇傾向を強めドル買い優勢

・一時107.15円と昨年7月23日以来の高値

・ロンドンフィキシングでドル売りフロー

・VIX指数は24.10から26.67へ上昇