FITS エコノミックレポート

★欧州市場序盤の取引では、米長期金利が1.06％台に続伸となったことにドルが下支えされた。世界的な株高を背景に、ドル/円は103.35円前後にドルが続伸した。なお、欧州株は続伸して取引を開始した。米長期金利が上昇を維持する中、ドル買い戻しの動きとなった。トランプ大統領が1月20日に秩序だった円滑な政権移行をすると表明したと伝わる中、ドル高の流れが進展した。欧州勢の本格参入に伴ってドル買い戻しの流れが加速した。NYダウ先物が伸び悩んだこともリスク選好が後退した。NYダウが続伸するなどリスク選好の円売りがやや優勢ながらもドル買い戻し一巡感が漂った。

米国株が上昇して始まると、リスク選好の円売りが先行した。米長期金利が一時1.0863％前後まで上昇した。12月米ISM非製造業指数が予想を上回ったこともドル買いを誘った。104円に観測されるドル売りオーダーを前に買いの勢いが弱まり上げ渋った。その後は、米長期金利が依然として1.07％台で堅調に推移したこともあり、103円後半で底堅い動きになった。

★欧米主要経済指標

・ユーロ圏・12月消費者物価指数速報値：前年比-0.3％（予想：-0.3％、11月：-0.3％）
・ユーロ圏・12月消費者物価コア指数速報値：前年比+0.2％（予想：+0.2％、11月：+0.2％）
・ユーロ圏・11月小売売上高：前月比-6.1％（予想：-3.4％、10月：+1.4％←+1.5％）
・ユーロ圏・12月景況感指数：90.4（予想：89.8、11月：87.7←87.6）
・英・12月建設業PMI：54.6（予想：54.6、11月：54.7）

・米・先週分新規失業保険申請件数：78.7万件（予想：80.0万件、前回：79万件←78.7万件）
・米・失業保険継続受給者数：507.2万人（予想：520.0万人、前回：519.8万人←521.9万人）
・米・11月貿易収支：‐681億ドル（予想：-673億ドル、10月：-631億ドル）
・米・12月ISM非製造業景況指数：57.2（予想：54.5、11月：55.9）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は103.22-95円のレンジ

・英中銀が景気悪化を抑えるためマイナス金利を導入する可能性があるとの観測

・民主党政権での財政出動を期待した株高と円安・ドル高の流れが強まった

・米10年物国債利回りが一時1.0863％前後と昨年3月20日以来の高水準

・VIX指数は25.07から22.37へ低下