FITS エコノミックレポート

★欧州市場朝方の取引では、株価が軟調推移する中、リスク回避による円買いの動きとなった。なお、欧州株は全面安で取引開始した。イタリア株を中心に欧州株が全面安で推移したが、ドル/円の下押しは限定的にとどまり113.80円前後で底堅く推移した。その後、ドル/円は揺り返しの展開で113.90円台まで戻した。米長期金利が3.136％水準へ低下したことでドルはじり安となった。

原油価格の反発や米長期金利の上昇などをながめ円売り･ドル買いが小幅に出ると114.01円と日通し高値を付けた。その後に、米下院金融サービス委員会の委員長に就任する見込みとなっている民主党のマキシン・ウォーターズ議員は規制緩和の動きを後退させる方針を示しており、金融などを中心に懸念材料となりNYダウは下げ止まらず、一時175ドル安となり、米長期金利は3.16％から3.12％まで低下した。NYダウが280ドル安、米長期金利が3.09％半ばへ低下するのを受けて113.27円前後まで下げた。ただ、米国株の下落が一服したことをながめて調整の買戻しが入った。

★欧米主要経済指標

・英・10月消費者物価指数：前年比+2.4％（予想：+2.5％、9月：+2.4％）
・英・10月消費者物価コア指数：前年比+1.9％（予想：+1.9％、9月：+1.9％）
・英・10月生産者物価指数・産出：前年比+3.3％（予想：+3.1％、9月：+3.1％）
・英・10月生産者物価コア指数・産出：前年比+2.4％（予想：+2.4％、9月：+2.4％）
・ユーロ圏・7-9月期GDP改定値：前年比+1.7％（予想：+1.7％、速報値：+1.7％）
・ユーロ圏・9月鉱工業生産：前月比-0.3％（予想：-0.4％、8月：+1.1％←+1.0％）

・米・10月消費者物価指数（CPI）：前年比＋2.5％（予想：+2.5％、9月：+2.3％）
・米・10月消費者物価コア指数：前年比＋2.1％（予想：+2.2％、9月：+2.2％）
・米・10月消費者物価指数：前月比＋0.3％（予想：+0.3％、9月：+0.1％）
・米・10月消費者物価コア指数：前月比＋0.2％（予想：+0.2％、9月：+0.1％）

★欧米市場のポイント

･113.27-114.01円のレンジ相場

･英国のEU離脱を巡る臨時閣議が開かれる中乱高下

･イタリアの予算案を巡るEUとの対立

･米金融規制緩和後退するとの懸念

･米10月CPIコア指数が予想を下回る

･NYダウは一時一時350ドル超下落

･VIX指数は20.02から21.25へ上昇