FITS エコノミックレポート

★欧州市場序盤の取引では、株安を背景にドルが全般底堅く推移した。なお、NYダウ先物は162ドル安、日経先物も80円安に続落した。欧州市場では、発表されたユーロ圏のPMIは予想を上回る内容となり、回復期待からユーロ買いが強まったが、ドル/円は小動きだった。NYダウ先物が240ドル安、日経先物も200円安に下げ幅を拡大する中、全般的にドルが底堅く推移した。米大統領就任式やECB理事会など重要イベントの通過で様子見ムードが広がり、積極的な売り買いは手控えられた。欧米株式相場は軟調に推移し、典型的なリスク回避のドル高が継続した。

リスク回避のドル買いが優勢になり一時103.88円近辺まで上昇したが、一目均衡表雲の下限が意識されると上昇は一服した。1.9兆ドルと大規模な追加経済対策を巡り野党の反対が見られる中、今週末に協議する予定である。NY市場では米国の大規模追加経済対策への期待が後退したほか、世界経済への懸念にリスク回避の円買いが再燃した。その後は、値幅は狭いまま、103.70円台の底堅さを再度確認し103.80円台に持ち直した。

★欧米主要経済指標

・独・1月製造業PMI速報値：57.0（予想：57.2、12月：58.3）
・独・1月サービス業PMI速報値：46.8（予想：45.0、12月：47.0）
・独・1月総合PMI速報値：50.8（予想：50.0、12月：52.0）
・ユーロ圏・1月製造業PMI速報値：54.7（予想：54.4、12月：55.2）
・ユーロ圏・1月サービス業PMI速報値：45.0（予想：44.5、12月：46.4）
・ユーロ圏・1月総合PMI速報値：47.5（予想：47.6、12月：49.1）
・英・1月製造業PMI速報値：52.9（予想：53.6、12月：57.5）
・英・1月サービス業PMI速報値：38.8（予想：45.0、12月：49.4）
・英・1月総合PMI速報値：40.6（予想：45.5、12月：50.4）

・米・1月製造業PMI速報値：59.1（予想：56.5、12月：57.1）
・米・1月サービス業PMI速報値：57.5（予想：53.4、12月：54.8）
・米・1月総合PMI速報値：58.0（12月：55.3）
・米・12月中古住宅販売件数：676万戸（予想：656万戸、11月：671万戸←669万戸）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は103.60-88円のレンジ

・英国ではロックダウンが夏まで続くとの観測浮上でポンド売り

・典型的なリスク回避相場になるとドル買いが優勢

・米経済指標は市場予想を上回るも相場の反応は限定的

・VIX指数は21.32から21.91へ上昇