FITS エコノミックレポート

5分足で分かるドル/円欧米市場動向 リスク回避でも過度なドル安にならず!

 

★欧州市場朝方の取引では、一部通信社が関係筋の話として『米国は中国製品に対して1000億ドル規模の追加関税を課す方針』などと報じたことを受け、米中貿易摩擦が一段と激化するとの警戒感から、NYダウ先物が下げ幅を広げ、米長期金利も低下となる中、ドルが反落となった。一時110.35円前後に下値を広げ日中安値を更新したが、ユーロ/ドルの上昇が一服となるにつれ、110.50円前後でもみ合いとなった。米長期金利の低下が一服したこともあり、徐々に下値を切り上げた。下値では本邦実需勢をはじめ押し目買い意欲が強く、売り一巡後は110.70円付近まで持ち直した。米国が中国の500億ドルの輸入品に高関税を課すと発表すると、中国側も『米国に対して同規模の報復措置を直ちに講じる』と表明した。そのため、米中貿易戦争への懸念から円買い・ドル売りが進んだ。 米6月ミシガン大学消費者信頼感指数が予想を上回ったことでドルに買戻しが入った。米長期金利の低下幅拡大やNYダウ280ドル安に上値が抑えられるなど、110.50円を挟んだ神経質な展開となった。その後、ユーロ/ドルの失速に伴って円売り・ドル買いが入った。NY時間午後になると、米長期金利が低下幅を縮めたこともあり、引けにかけてはやや底堅かった。

 

米中貿易戦争への懸念が高まり、一時NYダウが大幅下落し、米長期金利も低下幅を広げたにも関わらず、過度な円高・ドル安にならなかった。日米金融政策の違いからのなのか?それとも市場がある程度織り込んでいたからなのか?週明けの動きを注視していく必要がありそうだ。米国が輸入品に高関税を課すということは、先行き国内インフレが高まる一方で、米国に対して報復措置が講じられると米国企業の競争力が低下し、企業の業績悪化につながる。そして、国内景気が減速するスタグフレーションの懸念が高まってくる。

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