FITS エコノミックレポート

★欧州市場朝方の取引では、為替は全般小幅な値動きとなった。なお、欧州株は堅調に取引を開始した。米長期金利が2.64％台まで小幅ながら上昇したことなどを支えにじり高となった。その後は、米長期金利の上昇や堅調な欧州株式相場を背景にドル買いが活発化した。ただ、年初来高値を更新した後、クロス円が戻り売りに押される中、ドル上昇は一服した。110.10円付近まで売りに押される場面があったが、全体的なドル買い圧力や株高が下値を支えた。

NY勢参入後は、欧州株や米国株の上昇を手掛かりに円売り･ドル買いが先行した。米長期金利上昇に伴う買いも入り、110.45円と昨年12月31日以来の高値となった。NYダウがマイナスへ転じるなど米国株が伸び悩み、米長期金利の上昇も一服したことで円売りの勢いは鈍化した。米国株は軟調となったが、米中首脳会談開催への期待感もあって、リスク回避へ傾く動きにはならず、高値圏でもみ合いとなった。主要3株価指数が一時そろって前週末比マイナスへ転じたことで、リスク選好の円売りの勢いは後退した。

★欧米主要経済指標

・英・10-12月期GDP速報値：前年比+1.3％（予想：+1.4％、7-9月期：+1.5％）
・英・12月鉱工業生産：前月比-0.5％（予想：+0.1％、11月：-0.3％←-0.4％）
・英・12月製造業生産：前月比-0.7％（予想：+0.2％、11月：-0.1％←-0.3％）
・英・12月貿易収支：-121.02億ポンド（予想：-118.92億ポンド、11月：-124.00億ポンド←-120.23億ポンド）

★欧米市場のポイント

･109.94-110.46円のレンジ相場

･英国景気の先行きを懸念したポンド売り

･欧州株は割安感から買い戻しが入り軒並み高

･米中貿易協議の進展期待

･つなぎ予算の期限切れで再び米政府機関閉鎖懸念

･VIX指数は15.72から15.97へ上昇