FITS エコノミックレポート

金融緩和停止でも上値の重いトルコリラ!

 

★昨日トルコ中央銀行は政策金利である1週間レポレートを、市場予想(8.00%に引き下げ)に反して8.25%で据え置いた。昨年7月から9会合連続で合計15.75%の利下げが実施されていたが、ここで一連の緩和策は停止となった。ただ、トルコ中銀の緩和停止にもリラ買いは盛り上がりに欠けたため、暫くは15円台での上値の重さが続く可能性が高い。昨日はトルコ中銀の19日時点の外貨準備高も発表された。グロス残高(金保有高は除く)では532.2億ドルと前週から約4.1%減少し、年初来では34.5%減少となった。先週後半には中国人民銀行との通貨スワップ枠が初めて使用したと発表され、また、リビア暫定政権を軍事支援した見返りのうち、数十億ドルがトルコ中銀に移されたとの報道もあったが、トルコの外貨準備高不足への懸念は拭いきれていない。トルコ金融当局が断続的に実行しているであろうドル売り介入にも限界があると思われ、リラのドルに対する下値警戒感はくすぶったままである。

 

トルコリラ/円の一目均衡表の日足では、雲の中で徐々に下値を切り下げる52期間の高低の中心値である先行スパン2の当日線(黒線)がサポートラインとなっている。ただ、下値を切り下げていることから、トルコリラ/円も徐々に下値を切り下げている。ただ、一旦戻り基調となっており転換線(赤線)の15.62円をわずかに上抜けする展開となっている。

相場の方向性を示す基準線(青線)が横ばいとなっており、明確なトレンドは発生していない。

雲の下限が徐々に切り上がることから、雲の下限下抜けするのか、それとも下値を切り上げてくるのかが注目される。7月8日付近に雲のネジレがあることから、トレンドの反転や加速など相場の節目になりやすい。

26期間遅行する遅行線(緑線)はロウソク足を下抜けしていることで、上値が抑えられる展開となりやすい。

一方で、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、売られ過ぎ域から%DがSlow%Dを上抜けしてきており、にわかに戻り基調となってきている。

まとめると、金融緩和策が一旦停止したことから、反発期待が高まったが大きな動きにはつながらなかった。下値は先行スパン2がサポートとなる一方で、上値では基準線がレジスタンスとして意識されるレンジ相場となりそうだ。

トルコリラを積極的に買っていくような材料に乏しいことから、リスク回避的な動きが強まると、再び下値模索的な動きになりやすい。また、外貨準備残高不足の不安感があることから、投機的な動きとすればトルコ売りに走りやすいので警戒が必要である。

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