FITS エコノミックレポート

金標準先物60分足では戻り基調が継続するか?

 

★8月22日以降の金標準先物の60分足では、雲下限を下抜けると上値が重くなり、一時7,622円まで下落した。しかし、反発して240時間SMA(茶線)を上抜けしたが、120時間SMA(赤線)がレジスタンスとして意識され上値を抑える展開になっている。NY時間に入ると、雲のネジレがありトレンドの反転や加速など相場の節目になりやすい。

 

NY金先物市場は1746.20-1772.30ドルのレンジ相場となった。欧州通貨やオセアニア通貨など多くの通貨に対してドル高が進んだことからドル建て金価格に割高感が生じ、金相場の圧迫要因となった。短めな年限を中心に米債金利へ上昇圧力が掛かったことも、金利がつかない資産である金への投資妙味を低め、相場の押し下げ要因となった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演での発言などFRB高官の発言が、高金利の状態が続きやすいとの見方を強めた。アジア市場の序盤に1772.30ドルまで買われたものの、ポジション調整的な売りが増えたことで反落。ニューヨーク市場では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受けて早期利下げ観測は後退し、一時1746.20ドルまで下げた。ただ、株安を意識して売りは一巡し、通常取引終了後の時間外取引では1750ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

価格帯別出来高では、一時出来高の多い価格帯を下抜けしたものの、押し目買いに支えられ反転する展開になった。ただ、戻り上値でも買い方らの『やれやれ売り』も出やすく、しばらくはもみ合い相場になりやすい。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインの下方から上向きになり、シグナルを上抜けする寸前になっており、上抜け出来るかが注目される。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、価格は下押ししたものの、%DとSlow%Dは下値を切り上げる強気のダイバージェンスとなっており、戻り基調が強まる可能性が残る。

 

金標準先物の日足では、75日SMAの7,685円がサポートとして意識される一方で、100日SMAの7,723円がレジスタンスとして意識され上値を抑えている。狭いレンジ内での値動きになっている。NY金先物市場では、パウエル米FRB議長の講演で、早期利下げ観測が後退したことで、米長期金利の上昇と米ドル高を嫌気した売りが強まった。外国為替市場では、改めて日米金融政策の違いが意識されドル買い・円売りが強まり137円台半ばまで円安進行した。そのため、金標準先物の下支えとなっている。

本日の注目点は、75日SMAと100日SMAに挟まれる展開になっており、上下どちらに放れるかが焦点になる。60分足の超短期では、戻り基調が続いていることから、再び雲の上限を上抜けるかが注目される。また、NY時間帯には雲のネジレがあり、相場の節目になりやすいので注意が必要となる。

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