FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:ストレステストで全行合格を好感

NYダウは73.38ドル高の26599.96、ナスダックは38.49ポイント高の8006.24で終了した。米連邦準備理事会(FRB)が27日公表したストレステスト(健全性審査)の包括的資本分析(CCAR)では、18行全てが合格した。これを受けて自社株買いや増配を発表したJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなどが買われ、指数を押し上げた。29日の米中首脳会談で貿易協議が進展するとの期待から買いが入った面もあった。 VIX指数は15.82から15.08へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国株高を好感してドルじり高

ドル/円は、明日の米中首脳会談を前に積極的な取引は手控えられたものの、米国株価の上昇に伴う円売り・ドル買いが出て取引終了間際に一時107.94円と日通し高値を付けた。今日の安値はアジア時間に付けた107.56円で値幅は38銭程度だった。なお、ムニューシン米財務長官とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は劉鶴中国副首相と米中貿易戦争について協議するため大阪で会談したと伝わった。米中閣僚級協議は5月10日を最後に途絶えており、その後対立が激化した。今回の首脳会談の際に何らかの成果がみられるか注目される。市場では『貿易協議の再開を決め、追加関税の発動を見送るかどうかが焦点』との声が聞かれた。この日発表の経済指標では6月米シカゴ購買部協会景気指数は予想を下回った一方、6月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値は予想を上回るなど、強弱入り混じる結果となった。 

 

ユーロ/ドルは、欧州市場序盤に一時1.1393ドルと日通し高値を付けたものの、25日に付けた約3カ月ぶりの高値1.1412ドルがレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。ユーロポンドやユーロ豪ドルなどユーロクロスの下落につれた売りも出て2時前に一時1.1351ドルと日通し安値を付けた。もっとも、引けにかけては買い戻しが入り結局前日終値付近まで持ち直した。明日の米中首脳会談を前に様子見ムードが強まり、大きな方向感は出なかった。 

 

NY原油先物市場は反落:利益確定売り優勢

NY原油先物市場は57.75ドル-59.80ドルのレンジ相場となった。トランプ大統領はイランへの対応について『時間的な制約は全くない』との見方を示したことから、米国とイランの二国間の緊張状態は緩和されつつあるとの見方が広がり、原油先物の売りが優勢となった。中東からの原油供給が大幅に減少する可能性は残されているものの、欧州各国が軍事衝突を回避するために調整を続けていることも材料視された。米中首脳会談が決裂すれば、世界経済の先行き不安が高まり、エネルギー需要に影響が及ぶとの警戒感が強まったこともあり、利益確定売りが入った。米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比4基増の793基となった。

 

NY金先物市場は小幅高:ポジション調整の売り

NY金先物市場は1408.60ドル-1427.80ドルのレンジ相場となった。米中貿易協議進展への期待が後退したことから、時間外取引のアジア市場で1427.80ドルまで買われたが、通常取引開始後は米中首脳会談を控えてポジション調整的な売りが増えた。ただ、米国とイランの対立が続いていることから、押し目買い興味は残されている。CFTCが発表した25日時点の投機筋による金先物の買越幅は4週続けて拡大し、前週比3万2231枚多い23万6554枚と2017年9月12日以来ほぼ1年9カ月ぶりの高水準となった。

 

米国債券市場は続伸:米中首脳会談を前に方向感出ず

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)2.00%で終了した。米6月シカゴ購買部協会景気指数が49.7と景気の拡大と縮小の境界である50を2年5ヵ月ぶりに下回ったことを受けて、債券買いがやや優勢となった。ただ、米中首脳会談を前に大きな方向感は出なった。

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