FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:地政学リスクや米景気後退懸念から売り優勢

NYダウは46.73ドル安の32798.40ドル、ナスダックは21.71ポイント安の12368.98ポイントで取引は終了した。市場予想を下回った中国の製造業指数を嫌気した売りやペロシ下院議長の台湾訪問計画報道を受け、地政学的リスクの上昇を警戒した売りに、寄り付き後は下落した。月初で売り買いが交錯する中、7月製造業PMI改定値が予想外に下方修正されたほか、ISM製造業指数が2年ぶり低水準に落ち込んだため、景気後退懸念が根強く上値を抑制した。VIX指数は21.33から22.84へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米中間の地政学リスクの高まりを警戒したドル売り

ドル/円は、米景気減速への懸念が根強い中、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めのペースを緩めるとの見方から、米10年債利回りが一時2.5714%前後と4月7日以来約4カ月ぶりの低水準を記録した。全般ドル売りが優勢となり、一時131.55円と6月16日以来約1カ月半ぶりの安値を付けた。市場では『米経済の先行き不透明感が強まる中、短期筋主導で積み上がってきた円売り・ドル買いポジションを解消する動きが見られた』との指摘があった。7月米ISM製造業景気指数が52.8と予想の52.0を上回ったことが分かると、132.39円付近まで買い戻される場面もあったが、戻りは鈍かった。『ペロシ米下院議長は明日2日に台湾を訪問する見通し』との報道が相次ぐと、米中間の地政学リスクの高まりが警戒されてドルの上値を抑えた。なお、複数の米台メディアは『ペロシ氏は台湾訪問を決行し、政府高官らと会談する計画』と報じた。これに対して中国政府は『ペロシ氏が台訪すれば必ずや強力な対抗措置をとる。軍も決して黙って見ていない』と述べ、軍事行動も辞さない構えを見せている。

 

ユーロ/ドルは、米景気減速懸念やFRBの大幅な利上げペースが後退するとの観測を背景に、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。一時1.0275ドルと7月21日以来の高値を付けた。 

 

NY原油先物市場は大幅反落:世界的な景気後退懸念から売り優勢

NY原油先物市場は92.42ドル-98.65ドルのレンジ相場となった。週末の7月31日に中国統計局が発表した中国7月製造業購買担当者景況指数(PMI)が6月から予想以上に鈍化し、再び景気判断の分岐点とされる50を下回り、中国の景気回復鈍化への懸念が再燃した。世界的な景気後退懸念を背景に石油需要の先行きに対する不透明感が売りを後押し、原油先物は急反落した。アジア市場の序盤で98.65ドルまで買われたが、その後はじり安。ニューヨーク市場の序盤にかけて92.42ドルまで一段安となる場面があった。ただ、ドル安を意識した買いも観測されており、通常取引終了後の時間外取引では主に93ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は4日続伸:ドル安と米長期金利低下を好感した買い

NY金先物市場は1774.30-1792.50ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル安が進み、ドルの代替資産とされる金は続伸した。また、米長期金利が低下したことも、金利が生じない金の買いを後押しした。アジア市場で1774.30ドルまで売られた後、ドル安を意識して1792.50ドルまで買われた。ニューヨーク市場の中盤にかけて上げ幅は縮小したが、通常取引終了後の時間外取引では主に1788ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は上昇:米景気減速への懸念から買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)2.86%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い2.58%で終了した。7月米ISM製造業景気指数が予想を上回ったことで債券売りが出たものの、下押しは限定的だった。米景気減速への懸念が根強い中、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入りやすかった。利回りは一時2.5714%前後と4月7日以来約4カ月ぶりの低水準を付けた。 

 

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