FITS エコノミックレポート

マイナス金利縮小から米国株も上値の重い展開に!

 

★期待インフレ率とは、市場や企業、一般消費者が予測する将来の物価上昇率のことである。期待インフレ率は、実際のインフレ率の先行指標として扱われることが多く、その動向は中央銀行の金融政策にも影響することこから、注目度が高い。

その、期待インフレ率を示す指標としては、ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)がある。BEIとは、物価連動国債と利付国債の金利差から市場が計算し予測した将来の物価上昇率である。実際のインフレ率との連動性が高く、その数値は日々更新され速報性も高い指標のため注目度は高い。

BEIは、これを『期待インフレ率』ということもあるので、一般的に期待インフレ率を確認する際は、BEIを使用する。

 

10年BEIと米国株指数であるNYダウ指数とS&P500指数の動向を比較してみる。10年BEIが下落するとNYダウとS&P500も同様に下落する。一方で、10年BEIが上昇基調が続いていることが多く相関性の高さが伺える。

21年11月12日にはBEIは2.73%まで上昇した後は、上値・下値を切り下げる展開となっており、昨日2月8日には2.42%まで低下している。

米国10年債利回りとの比較をしてみると、11月12日の米10年債利回りが1.621%だったことから、BEIとの比較からマイナス1.139%だった。BEIの22年1月20日直近安値では2.33%で米10年債利回りが1.809%だっとことから、BEIの比較からマイナス0.521%までマイナス金利は縮小している。

米FRBの金融引き締めスタンスが明確になっていることから、先行きの期待インフレ率のBEIは低下傾向にある一方で、米10年債利回りは上昇基調になっていることで、マイナス金利が縮小傾向にある。そのため、米国株式の上値も重くなってきている。

米国株式市場では、マイナス金利の縮小とともに上値が重くなっていることを示している。今後もマイナス金利が縮小するようなら、株式市場から債券市場への資金移動が強まる可能性が高まるので注意が必要となる。

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