★NY株式市場では、三指数全て上昇する展開となった。英国の製薬会社アストラゼネカが一時中断していた新型コロナウイルスのワクチン最終治験を再開したことが好感された。また、米製薬会社ファイザーが新型コロナワクチンの開発に関して前向きな見解を示したことも好感され、指数は一時420ドル超上昇した。一方米長期金利は、15-16日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて週明けの債券市場は様子見ムードが広がった。このところ、米長期金利の変動幅が上下に大きくなっており、日々イールドスプレッドへの影響が強まる展開となっている。そのため、今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数とも割高感は残っており、引き続きリスク回避の材料が出ると下落しやすい。
感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬が開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第2波』が懸念されている。さらに、米大統領選を控えて、米中対立の激化が懸念されている。しかし、経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は26.87から25.85へ低下した。ただ、 VIX指数が20台半ばで推移していることで、リスク回避の動きは継続している。株価の日中ボラティリティが高まっていることから、しばらくは不安定な動きになりやすい。
NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.326%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
20/01/17‐▲3.018%、20/09/1-▲2.867%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、
20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・9月11日:▲3.157%⇒9月14日:予想▲3.104%(前日比で縮小:割高)
9月14日のNYダウが続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.326%から▲0.222%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.122%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.998%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.437%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.913%下回った。大型M&Aの報道が相次いだことで市場心理が改善され、ハイテク関連株を中心に買いが優勢となった。英国の製薬会社アストラゼネカが一時中断していた新型コロナウイルスのワクチン最終治験を再開したことが好感された。また、米製薬会社ファイザーが新型コロナワクチンの開発に関して前向きな見解を示したことも好感され、指数は一時420ドル超上昇した。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.773%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/04/25-▲2.966%
20/08/27-▲2.677%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、
19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%
20/3/23-▲6.222%
・9月11日:▲2.918%⇒9月14日予想▲2.864%(前日比で縮小:割高)
S&P500が続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.773%から+0.091%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.005%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.138%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.315%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.635%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.358%下回った。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.809%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%
20/08/27-▲1.452%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、
19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%
・9月11日:▲1.705%⇒9月14日予想▲1.653%(前日比で縮小:割高)
NASDAQが反発したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.809%から▲0.156%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.526%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.730%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.845%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.150%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.441%下回った。
NASDAQは、大型M&Aの報道が相次いだことで市場心理が改善され、ハイテク関連株を中心に買いが優勢となった。イールドスプレッドは、米長期金利が上昇したことで縮小した。一時のイールドスプレッドより半分以下まで縮小している。そのため、引き続き割高感から利益確定売りが出やす地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.6%台半ばで推移しており、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。米中関係の悪化から売られやすい地合いとなっており、ネガティブなニュースが入ると引き続き下落しやすい。
三指数のイールドスプレッドは、三指数ともに縮小する展開となった。三指数は全て上昇する展開となったうえ、米長期金利は上昇した。英国の製薬会社アストラゼネカが一時中断していた新型コロナウイルスのワクチン最終治験を再開したことが好感された。また、米製薬会社ファイザーが新型コロナワクチンの開発に関して前向きな見解を示したことも好感され、指数は一時420ドル超上昇した。今後も新型コロナウイルス感染報道やワクチン開発の進展、米国追加財政策の行方、米中対立激化懸念、中東情勢、原油価格の変動、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続く。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
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