FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで8月7日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場は昨日反発したものの、米長期金利が小幅に低下したことで、イールドスプレッドの縮小幅は小さく引き続き割安感が残っている。S&P500とNASDAQ指数は直近の大底となったイールドスプレッドを上回る展開となっており、何か好材料が出てくると大きく反転しやすい。現在時間外のNYダウ先物が低下(AM9:35現在)しており、米長期金利先物も低下していることで再びイールドスプレッドが拡大して割安感が強まる可能性が高い。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.629%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・8月5日:▲4.102%⇒8月6日予想▲4.037%

 

8月6日はNYダウは大幅反発した一方で、米長期金利は小幅に低下したが、イールドスプレッドは前日比でに拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.629%から▲0.592%スプレッドがかい離していることや、19年1月3日の大底▲4.226%から▲0.189%、19年6月3日の大底4.038%から▲0.001%、19年8月5日の大底▲4.102%から▲0.065%になった。前日NYダウが大幅に反発したことで、イールドスプレッドは前日比で拡大したが。それでも4.0%台でのかい離があることから割安感が残っている。

 

NYダウが大幅上昇したことで株式益利回りは低下した。一方、米長期金利は小幅低下したもの、イールドスプレッドは前日比では拡大した。米国債に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うより米国債を買った方が良いということになる。ただ、イールドスプレッドから見ると、NYダウは割安となっているので続騰しても不思議ではない。今後も、米長期金利の動向が重要ポイント。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.934%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、19/8/5-▲4.002%

・8月5日:▲4.002%⇒8月6日予想▲3.933%

 

S&P500が大幅上昇した一方で、米長期金利は小幅に低下したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.934%から▲0.001%とスプレッドがほぼ平均値となっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して+0.064%とスプレッドを上回った。また、19年6月3日の大底となった3.881%から+0.052%とイールドスプレッドを上回った。19年8月5日の大底となった▲4.002%から▲0.069%となった。S&P500は前日上昇したものの、未だ割安感は残っている。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.411%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、19/8/5-▲2.383%

・8月5日:▲2.383%⇒8月6日予想▲2.332%

 

NASDAQは大幅上昇した一方で、米長期金利は小幅に低下したことで、イールドスプレッドが前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.411%から▲0.079%かい離している。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.153%とスプレッドを上回った。また、19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して+0.004%とスプレッドを上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%から▲0.063%のかい離となった。

NASDAQの戻りは大きかったがイールドスプレッドが直近大底となったイールドスプレッドを若干上回っており、引き続き割安感が出てくる。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。

 

三指数ともイールドスプレッドは、連日前日比で縮小する動きとなった。しかし、現在は三指数とも直近のイールドスプレッドを近辺まで拡大しており、引き続き割安感が出ている。そのため、一旦下げ止まる材料が出ると、一気に買い戻される展開となりやすい。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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