FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで8月29日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場は三指数とも上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは三指数ともに縮小し割安感が強まっている。そのため、一旦市場が落ち着く場面があると、急速に買い戻されやすい地合いとなりやすい。

NYダウは、原油相場の上昇や一部主要企業決算が好感され堅調推移となった。NYダウは、200日SMAと260日SMAがサポートラインとして意識され、下げ止まる展開となっている。一方では、75日SMAと100日SMAがレジスタンスとして意識され上値を抑える展開となっている。日足ではレンジ相場的な様相となっており、上抜けするのかそれとも下抜けするのかが注目される。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.710%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・8月27日:▲4.264%⇒8月28日予想▲4.202%

 

8月28日はNYダウは上昇したうえ、米長期金利も上昇したことから、イールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.710%から▲0.508%スプレッドがかい離した。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.024%とかい離した。19年6月3日の大底4.038%を+0.164%、19年8月5日の大底▲4.102%を+0.100%と過去のスプレッドを上回った。。

 

NYダウが上昇したことで株式益利回りは低下した。また、米長期金利が上昇したことで、イールドスプレッドは前日比では縮小した。米国債に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債を買った方が良いということになる。イールドスプレッドが高水準にあることから、非常に割安感は残っている。今後も、米長期金利の動向が重要ポイントとなる。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲4.033%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・8月27日:▲4.199%⇒8月28日予想▲4.154%

 

S&P500が上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.033%から+0.121%と平均値のイールドスプレッドを上回っている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して+0.285%、19年6月3日の大底となった3.881%から+0.273%とイールドスプレッドを上回っている。さらに、19年8月5日の大底となった▲4.002%も+0.152%とイールドスプレッドを上回った。19年8月15日の4.179%も▲0.025%とかい離した。イールドスプレッドは一旦縮小したものの、引き続き割安感が強く外部環境が好転すると大きく買い戻されやすい。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.505%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・8月27日:▲2.572%⇒8月27日予想▲2.550%

 

NASDAQは上昇し米長期金利も上昇したことで、イールドスプレッドが前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.505%から+0.045%と上抜けた。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.371%を上回っている。さらに、19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して+0.222%上回っている。さらに、19年8月5日の大底となった▲2.383%から+0.167%、19年8月15日の大底となった▲2.498%から+0.052%上抜けした。

 

NASDAQのイールドスプレッドは高水準に位置しており、割安感が強まっている。そのため、市場が一旦落ち着くと大きく買い戻される可能性が高い。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。

 

三指数のイールドスプレッドは、一旦縮小したものの今年に入ってからの高水準に位置しており、株価への割安感が出ている。そのため、下落相場では押し目買いが入りやすい地合いとなっており、米中貿易摩擦に一旦の落ち着きが出ると大幅に買い戻される可能性が高い。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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