FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで8月26日の米国株市場を先取り!米国株式市場に過熱感も!

 

★NY株式市場では、三指数はまちまちの展開となった。前日に上場来高値を付けたアップルが利益確定売りに押されたほか、NYダウ構成銘柄から除外されるエクソンモービルやファイザーなどが売られ指数を押し下げた。NYダウは一時210ドル超下落する場面があった。一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸し、同86.75ポイント高の11466.47と史上最高値で取引を終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。一方、米長期金利は、新型コロナウイルスの治療法やワクチン開発進展への期待感、米中貿易協議の進展期待などを背景に、安全資産とされる米国債に売り(金利は上昇)が出た。このところ、米長期金利の変動幅が上下に大きくなっており、日々イールドスプレッドへの影響が強まる展開となっている。そのため、今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数とも割安感はなくなっている。そのため、リスク回避の材料が出ると利益確定売りがでやすい。また、米国の追加財政策が先行き『財政の崖』問題につながりやすく、リスク回避の材料につながりやすい。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬が開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第2波』が懸念されている。さらに、米大統領選を控えて、米中対立の激化が懸念されている。しかし、経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は22.37から22.03へ低下した。 VIX指数が20台前半まで低下してきたが、20を上回っていることからリスク回避の動きは継続している。ただ、一時のVIX指数が高水準からは、かなり低下してきている。そのため、VIX指数が20を割ってくると、さらに市場に落ち着きが出たことになる。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.328%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%、20/08/24-▲3.047%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・8月24日:▲3.047%⇒8月25日:予想▲3.023%(前日比で縮小:割高)

 

8月25日のNYダウは反落したものの、米長期金利が大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.328%から▲0.305%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.203%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.079%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.518%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.994%下回った。7月新築住宅販売件数や8月リッチモンド連銀製造業指数が予想を上回る結果となった一方で、8月消費者信頼感指数が予想外に6年ぶりの低水準に悪化したことを懸念し寄り付き後に下落した。また、前日に上場来高値を付けたアップルが利益確定売りに押されたほか、ダウ構成銘柄から除外されるエクソンモービルやファイザーなどが売られ指数を押し下げた。NYダウは一時210ドル超下落する場面があった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.773%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/04/25-▲2.966%

               20/08/12-▲2.844%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・8月24日:▲2.824%⇒8月25日予想▲2.780%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500は続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.773%から+0.007%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.089%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.222%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.399%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.719%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.442%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.810%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・8月24日:▲1.593%⇒8月25日予想▲1.544%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.810%から▲0.266%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.635%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.839%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.954%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.259%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.550%下回った。

 

NASDAQは、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸し、同86.75ポイント高の11466.47と史上最高値で取引を終えた。そのため、イールドスプレッドは一時より半分以下まで縮小している。そのため、今後も利益確定売りが出やす地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、1.5%台まで低下推移しており割高感も出てきている。2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。米中関係の悪化から売られやすい地合いとなっており、ネガティブなニュースが入ると下落しやすい。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数ともに全て縮小した。三指数はまちまちの展開になったものの、米長期金利が大幅上昇したことで、イールドスプレッドは縮小する展開となった。前日に上場来高値を付けたアップルが利益確定売りに押されたほか、ダウ構成銘柄から除外されるエクソンモービルやファイザーなどが売られ指数を押し下げた。NYダウは一時210ドル超下落する場面があった。一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸し、同86.75ポイント高の11466.47と史上最高値で取引を終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。今後も新型コロナウイルス感染報道やワクチン開発の進展、米国追加財政策の行方、米中対立激化懸念、中東情勢、原油価格の変動、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続く。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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