FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで6月13日の米国株市場を先取り!

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.379%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・6月11日:▲3.604%⇒12日予想▲3.638%

 

11日はNYダウは小幅下落し、米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.381%から▲0.741%スプレッドがかい離していることや、直近1月3日大底の▲4.226%から▲0.588%スプレッドがかい離している。

NYダウが下落したことで株式益利回りは上昇した。さらに、米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドは前日比で拡大した。そのため、米国債に対してNYダウが前日比で割安となった。米国債券を買うより米国株式を買った方が良いということになる。今後も、米長期金利の動向が重要ポイント。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.693%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%

・6月11日:▲3.519%⇒12日予想▲3.556%

 

S&P500のイールドスプレッドも前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.693%から▲0.137%とスプレッドがかい離していることや、1月3日の▲3.869%スプレッドに対して▲0.313%、6月3日の3.881%から▲0.325%とスプレッドがかい離している。S&P500は1月3日や6月3日からイールドスプレッドがかい離していることで、割安感が払しょくされてきている。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.218%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%

・6月11日:▲1.997%⇒12日予想▲2.037%

 

NASDAQのイールドスプレッドも前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.218%から▲0.181%とスプレッドがかい離している。また、1月3日の▲2.179%スプレッドに対しては▲0.142%、6月3日の▲2.328%スプレッドに対して▲0.291%とスプレッドがかい離している。

NASDAQも下落し、米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドは前日比で小幅に拡大した。NASDAQは米中貿易摩擦の影響で大幅に下落していたことから、このところの戻りも大きかったが、戻りも一巡している。

 

三指数のイールドスプレッドは、わずかに拡大した。しかし、このところの連騰後の下落調整により、徐々に拡大傾向となっている。そのため、今後も米長期金利が低下し、米国株が下落調整するようなら、米国株に割安感が出始める。そのため、過熱感のない状態で米国株が上昇しやすい。トランプ大統領がFRBに利下げを強要するのは、米長期金利が低下すると米国株が上昇してもイールドスプレッドの縮小が抑えられるからである。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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