FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで5月26日の米国株市場を先取り!25日はメモリアルデーで休場!

 

★NY株式市場では、三指数はまちまちの展開となったものの、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して前日比で米国株は割安)した。米長期金利が再び低下基調となっていることでイールドスプレッドは拡大しやすい。米中対立の激化への懸念が相場の重しとなり、一時180ドル超下げた。ただ米国では今週に入り、全50州で外出規制などの段階的な緩和が進展した。その後、米国政府のウイルス対策特別委員会を率いるファウチ所長がウイルスワクチン開発に楽観的な見解を示すと、引けにかけて下げ幅を縮小した。しかし、イールドスプレッドからは、三指数とも割安感は薄れてきている。そのため、リスク回避の材料が出ると利益確定売りが出やすい。また、米企業の業績下方修正により、PERが上昇しやすく割安感がさらに薄まる可能性が高い。

 

今回のリスク回避の動きは新型コロナウイルスの感染拡大や原油急落にある。そのため、利下げや量的緩和、財政政策などを実施しても市場の不安は一時的なものになりやすい。まずは、感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチンが開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続く。また、景気後退は避けられないほか、米大統領選を控えて、米中対立の激化が懸念されてきており、一方的な戻りにもなり難い。VIX指数は29.53から28.16へ低下した。VIX指数が30前後で推移していることで、リスク回避の動きは継続している。未だにVIX指数が高水準で推移していることから、しばらくはボラタイルな動きが続きやすい。VIX指数が20を割ってくると市場に落ち着きが出たことになる。米中関係の悪化懸念も出始めていることは、株式市場の売り材料になりやすい。

 

NYダウは、75日SMAの24,356ドルがサポートとして意識され下支えする展開となった。また、上向きの5日SMAの24,463ドルをわずかに上抜けしてきたことで、短期的には上昇トレンドを維持している。下値では10日SMAの24,086ドル、25日SMAの23,950ドルがサポートラインとして意識される。さらに、2月12日高値29,569ドルと3月23日安値18,214ドルの半値戻し23,891ドルを上回ったことでサポートとして意識される。引き続き75日SMAを明確に上抜けできるかが注目される。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.328 %

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・5月21日:▲3.566%⇒5月21日:予想▲3.580%(前日比でわずかに拡大)

 

5月22日のNYダウは小幅反落したうえ、米長期金利もわずかに低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.328%から+0.252%と平均値より上昇かい離していることで割安になっている。19年1月3日の大底▲4.226%から▲0.646%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.522%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲0.961%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.437%下回った。中国が香港への統制を強化し、米政府や議会が対中強硬姿勢を強める可能性が高まった。米中対立の激化への懸念が相場の重しとなり、一時180ドル超下げた。ただ米国では今週に入り、全50州で外出規制などの段階的な緩和が進展した。その後、米国政府のウイルス対策特別委員会を率いるファウチ所長がウイルスワクチン開発に楽観的な見解を示すと、引けにかけて下げ幅を縮小した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.768%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・5月21日:▲3.228%⇒5月22日予想▲3.231%(前日比でわずかに拡大)

 

S&P500が小反発した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.768%から+0.463%と平均値より上方かい離していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.638%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲0.771%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲0.948%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.268%下回った。20年3月23日の6.222%から▲2.991%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.812%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・5月21日:▲1.988%⇒5月22日予想▲1.989%(前日比で微妙に拡大)

 

NASDAQが小反発した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比で微妙ながら拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲1.812%から+0.177%平均値より上方かい離していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.190%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.394%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.509%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲0.814%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.105%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは一時より半分以下まで縮小してきている。また、2.0%台割れまでイールドスプレッドが縮小してきたことで、割安感は払しょくされてきている。新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、引き続き戻り基調となりやすい。一方で、米中関係の悪化懸念も高まってきており、再び下値模索の可能性も残る。三指数の中での割安感が払しょくしている。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数がまちまちとなった一方で、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは三指数ともにわずかに拡大した。米中対立の激化への懸念が相場の重しとなり、一時180ドル超下げた。ただ米国では今週に入り、全50州で外出規制などの段階的な緩和が進展した。その後、米国政府のウイルス対策特別委員会を率いるファウチ所長がウイルスワクチン開発に楽観的な見解を示すと、引けにかけて下げ幅を縮小した。今後も新型コロナウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、原油価格の変動、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続いている。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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