★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.308%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・5月17日:▲3.461%⇒20日予想▲3.455%
20日はNYダウが下落したものの、米長期金利の上昇率の方が大きかったことで、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.308%から▲0.853%スプレッドがかい離していることや、直近1月3日大底の▲4.226%から▲0.771%スプレッドがかい離している。
NYダウが下落したものの、米長期金利の上昇率が上回ったことで、イールドスプレッドは前日比縮小し米国債に対して米国株が前日比でNYダウが割高となった。米長期金利が上昇傾向を強めると、米国株を買うより米国債を買った方が良いということになる。そのため、米長期金利の動向が重要ポイント。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.600%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%
・5月17日:▲3.334%⇒20日予想▲3.347%
S&P500のイールドスプレッドも前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.600%から▲0.253%スプレッドがかい離していることや、1月3日の▲3.869%スプレッドに対しても▲0.522%のスプレッドかい離している。
S&P500の下落率が米長期金利上昇率を上回ったことで、イールドスプレッドは前日比で拡大した。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.077%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%
・5月17日:▲1.715%⇒20日予想▲1.750%
NASDAQのイールドスプレッドは前日比拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.077%から▲0.327%スプレッドがかい離していることや、1月3日の▲2.179%スプレッドに対しても▲0.429%のスプレッドかい離している。
NASDAQの下落率が米長期金利上昇率を上回ったことで、イールドスプレッドは前日比で拡大した。
三指数のイールドスプレッドは拡大・縮小まちまちとなった。再び米長期金利が上昇するようなら、米国株に過熱感が出やすい。トランプ大統領がFRBに利下げを強要するのは、米長期金利が低下すると米国株が上昇してもイールドスプレッドの縮小が抑えられるからである。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
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