FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで4月4日の米国株市場を先取り!

 

4月3日(水)の米国3市場は、NYダウ:39.00ドル高の26,218.13ドル、S&P500:6.16ポイント高の2,873.40ポイント、NASDAQ:46.86ポイント高の7,895.55と三指数とも上昇した。一方、米長期金利は、再び2.500%を回復し2.521%へ上昇(価格は下落)した。『2日日付けPERと株価から逆算』して4月3日付け予想PER計算すると、NYダウ:17.32倍、S&P500:17.76倍、NASDAQ:24.04倍と、三指数ともに前日比でPERは上昇した。2011年4月21日以降の平均値は、NYダウ:15.00倍、S&P500:16.59倍、NASDAQ:21.77倍で現在3指数とも大幅に上回っている。このPERを基に3日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.253%、S&P500:▲3.100%、NASDAQ:▲1.639%と、三指数ともにイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。

米長期国債金利は、米中通商協議交渉が合意に近づいているとの期待が高まり、安全資産とされる米国債に売りが出た。

 

昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。

 

3日(水)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.312%⇒▲3.253%となり縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から0.973%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.184%へ縮小してきている。NYダウは、ワシントンで今日から開催される米中の閣僚級貿易協議について『最終合意が近い』との一部報道を手掛かりに買いが優勢となった。米長期金利が上昇し、利ざや拡大の期待からゴールドマン・サックス(1.70%高)の上昇が目立った。ホーム・デポ(2.21%高)やインテル(2.06%高)も堅調だった。一方で、3月ADP雇用統計が1年半ぶりの低調な伸びとなったほか、ISM非製造業景況指数も予想を下振れ、上値の重い展開となった。VIX指数は13.36から13.74へ上昇した。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.171%⇒▲3.110%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.759%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.379%へ縮小してきている。

 

NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.712%⇒▲1.639%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.540%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.441%へ縮小してきている。

 

テクニカル的には、NYダウは、小陰線ロウソク足ながら上値・下値を切り上げる上昇基調を維持している。また、5日SMAが上向きとなっており、短期的には強い上昇基調を維持している。相場の方向性を示す一目均衡表の基準線が微妙に上向きとなってきていることで、相場の底堅さが示されている。

S&P500は連日年初来高値を更新しているものの、高値圏での『十字線』となっており、買い方の勢いが鈍化している。また、高値圏での『十字線』は相場の転換シグナルとなりやすい。ただ、5日SMAが上向きとなっていることから、短期的には上昇基調は維持している。また、一目均衡表の基準線も上向きとなっている。

NASDAQも、連日年初来高値を更新して『十字線』となっており、買い方の勢いは鈍化している。5日SMAは10日SMAが上向きとなっており、短期的には上昇基調を維持している。また、伊沈黙均衡表の基準線も上向きとなっている。

ストキャスティクス(パラメータ:14、5、3、20、80)では、三指数とも過熱感なく%Kが%Dを上抜けしてきており、上向きバイアスを維持している。ただ、再び米長期金利が上昇してきており、株価が上昇とともにイールドスプレッドの割高感急速に高まりやすい。そのため、米長期金利の動向には注意が必要となる。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.233%、S&P500:3.519%、NASDAQ:2.075%も下落時の節目となりやすい。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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