FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで4月3日の米国株市場を先取り!

 

4月2日(火)の米国3市場は、NYダウ:79.29ドル安の26,179.13ドル、S&P500:0.05ポイント高の2,867.24ポイント、NASDAQ:19.78ポイント高の7,848.69とNYダウは下落したものの、S&P500とNASDAQはわずかに上昇した。一方、米長期金利は、再び2.500%割れとなる2.472%へ低下(価格は上昇)した。『1日日付けPERと株価から逆算』して4月2日付け予想PER計算すると、NYダウ:17.71倍、S&P500:17.76倍、NASDAQ:23.87倍と、NYダウとNASDAQは前日比でPERは上昇したものの、S&P500はほぼ変わらずだった。2011年4月21日以降の平均値は、NYダウ:15.00倍、S&P500:16.59倍、NASDAQ:21.77倍で現在3指数とも大幅に上回っている。このPERを基に2日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.175%、S&P500:▲3.159%、NASDAQ:▲1.717%と、NYダウはイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)となった一方で、S&P500とNASDAQは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)となった。

米長期国債金利は、前日に急落(利回りは上昇)した反動で買い戻しが入ったほか、欧州債券相場が上昇した流れを引き継ぎ、米国債にも買いが入った。なお、2月米耐久財受注額は予想を上回った一方、輸送用機器を除く数値は予想を下回ったため相場の反応は限られた。

昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。

 

2日(火)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.290%⇒▲3.175%となり縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から1.051%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.106%へ縮小してきている。NYダウは、前日までの3日間で600ドル超上昇し、およそ半年ぶりの高値を付けたあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。通期の業績見通しを下方修正したウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが12%を超える急落となり、1銘柄でダウ平均を48ドル押し下げた。ホーム・デポやジョンソン・エンド・ジョンソンなども軟調だった。 米2月耐久財受注で設備投資の先行き指標となる非国防資本財受注が直近4ヵ月間で3度目のマイナス成長となり、金融緩和が意識されてS&P500やナスダック総合指数は小幅上昇となった。VIX指数は13.40から13.36へ低下した。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.131%⇒▲3.159%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。S&P500も割安感が徐々に払拭されていたが、大幅下落で修正されてきている。1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.710%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.428%へ縮小してきている。

 

NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.700%⇒▲1.717%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.462%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.519%へ縮小してきている。

 

テクニカル的には、NYダウは、前日ロウソク足に対して『はらみ線』となった。前日年初来高値後のはらみ線となったことで、中期的な分岐点となりやすいので注意が必要となる。5日SMAが上向きとなっており、短期的には上昇基調を維持している。

S&P500は年初来高値を更新したものの、高値圏での『十字線』となっており、買い方の勢いが鈍化している。また、高値圏での『十字線』は相場の転換シグナルとなりやすい。5日SMAが上向きとなっていることから、短期的には上昇基調は維持している。

NASDAQも、年初来高値を更新して『小陽線』となっており、三指数の中では一番強い展開となっている。5日SMAは10日SMAが上向きとなっており、短期的には上昇基調を維持している。

ストキャスティクス(パラメータ:14、5、3、20、80)では、三指数とも過熱感なく%Kが%Dを上抜けしてきており、上向きバイアスを維持している。米長期金利が低下しているうちは、株価が上昇してもイールドスプレッドの割高感を打ち消す動きになりやすい。そのため、米長期金利の動向には注意が必要となる。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.223%、S&P500:3.499%、NASDAQ:2.069%も下落時の節目となりやすい。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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