FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで4月25日の米国株市場を先取り!

 

4月24日(水)の米国3市場は、NYダウ:59.34ドル安の26,597.05ドル、S&P500:6.43ポイント安の2,927.25ポイント、NASDAQ:18.81ポイント安の8,102.01と三指数ともに上昇した。一方、米長期金利は、2.524%へ低下(価格は上昇)した。『23日付けPERと株価から逆算』して4月24日付け予想PER計算すると、NYダウ:17.73倍、S&P500:18.15倍、NASDAQ:25.04倍と、三指数ともに前日比PERから低下した。2011年4月21日以降の平均値は、NYダウ:15.02倍、S&P500:16.60倍、NASDAQ:21.79倍で現在3指数とも大幅に上回っている。このPERを基に24日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.116%、S&P500:▲2.986%、NASDAQ:▲1.470%と、三指数ともにイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。

米長期国債金利は、欧州時間に発表された独景況感指数が市場予想を下回り、ユーロ圏の景気減速懸念が再燃した。相対的に安全資産とされる米国債に買い(利回りは低下)が集まった。

 

昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。

 

24日(水)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.059%⇒▲3.116%となり縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から1.110%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.047%と縮小してきている。NYダウは、キャタピラーやAT&Tなど、この日発表された一部大手企業の決算が概ねさえない内容となり、売りが優勢となった。欧州時間に発表された独景況感指数が予想を下回り、ユーロ圏の景気減速懸念が再燃したことも嫌気された。米長期金利の低下を受けて、ゴールドマン・サックスなど金融株も軟調だった。 しかし、1-3月期決算発表を終えた企業の約8割で収益が市場予想を上振れたとの報道もあり、決算への期待感から下値は限られた。VIX指数は12.28から13.14へ上昇した。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲2.930%⇒▲2.986%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.883%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.255%へ縮小してきている。

 

NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.416%⇒▲1.470%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.709%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.272%へ縮小してきている。

 

テクニカル的には、NYダウは、5日SMAの26,555ドルが支えとなり、上昇基調を継続している。昨日は下落したが、5日SMAと10日SMAが上向きを維持していることから、短期的には上昇基調が継続している。昨年10月3日に付けた高値26,951ドルが視界に入ってきた。ただ、高値圏にあることから上値が重くなると利益確定売りが入りやすい。一目均衡表では、転換線の26,379ドル上抜けを維持している。また、相場の方向性を示す基準線が再び横向きとなってきた。

 

S&P500は、5日SMAの2,915ポイントが支えとなり上昇基調が継続している。昨年の史上最高値2,940.91ポイントに肉薄となってきた。また、緩やかながら5日SMAと10日SMAは上向きとなっており、上昇基調は維持している。一目均衡表では転換線がサポートとして意識されている。また、相場の方向性を示す基準線はわずかに上向きになっており、上昇基調が継続している。

 

NASDAQは、5日SMAの8,046ポイントと10日SMA8,010ポイントがサポートラインとして意識され上昇基調を維持している。また、10日SMAが上向き維持していることで、短期的には依然として上昇基調を維持している。一目均衡表では、転換線の8,036ポイントの上方に位置しており、基準線もわずかに上向きを維持している。

 

ただ、ストキャスティクス(パラメータ:14、5、3、20、80)では、三指数とも連日過熱感が出ている。また、三指数ともに%Dが%SDを下抜けており、微妙に相場の変化の兆しが続いている。昨晩のNY市場では株価が下落する一方で、米長期金利が低下したことから、わずかながら過熱感が是正されたが、全体的には買われ過ぎ過熱感があるので注意が必要となる。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.107%、S&P500:3.398%、NASDAQ:1.927%も下落時の節目となりやすい。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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