FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで4月11日の米国株市場を先取り!

 

4月10日(水)の米国3市場は、NYダウ:6.58ドル高の26,157.16ドル、S&P500:10.01ポイント高の2,888.21ポイント、NASDAQ:54.97ポイント高の7,964.24と三指数ともに上昇した。一方、米長期金利は、再び2.500%割れとなる2.468へ低下(価格は上昇)した。『9日日付けPERと株価から逆算』して4月10日付け予想PER計算すると、NYダウ:17.43倍、S&P500:17.95倍、NASDAQ:24.49倍と、NYダウは前日比PERで横ばいとなったが、S&P500とNASDAQは前日比でPERは上昇した。2011年4月21日以降の平均値は、NYダウ:15.01倍、S&P500:16.60倍、NASDAQ:21.78倍で現在3指数とも大幅に上回っている。このPERを基に10日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.269%、S&P500:▲3.100%、NASDAQ:▲1.615%と、三指数ともにイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。

米長期国債金利は、欧州の金利低下を受けて買い(金利は低下)が優勢となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が『予想ほどハト派ではなかった』と受け止められると伸び悩む場面もあったが、反応は一時的だった。

米国株は小幅上昇したものの、米長期金利が大幅にも低下したことで、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。

 

昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。

 

10日(水)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.237%⇒▲3.269%となり拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から0.957%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.200%へ縮小してきている。NYダウは、米3月消費者物価指数(食品とエネルギー除く)が予想を下振れ、利上げ凍結が長期化するとの見方から買いが先行したものの日中は小動きとなった。注目のFOMC議事録では、米国や世界経済の先行き不透明感やインフレ圧力の緩和を受けて、大半の当局者が年内利上げを見送る方針を支持したことが示され、引けにかけて緩やか上昇する展開となった。 今週から始まる主要企業の決算発表への期待が高まり買いが優勢となった。ただ、アナリストが目標株価を引き下げたボーイングが1%超下落し指数の上値を抑えたため、NYダウはマイナス圏に沈む場面があった。個別ではゴールドマン・サックス(1.18%高)やシスコシステムズ(1.16%高)、ウォルマート(0.92%高)の上昇が目立った。 VIX指数は14.28から13.30へ低下した。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.087%⇒▲3.100%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.769%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.369%へ縮小してきている。

 

NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.612%⇒▲1.615%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.564%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.417%へ縮小してきている。

 

テクニカル的には、NYダウは、5日SMA、10日SMAがサポートとして意識されていたが下抜け、低下傾向となってきた。相場の方向性を示す一目均衡表の基準線が再び横ばいとなってきていることで、相場に不透明感が出てきた。

 

S&P500は、一旦下抜けしたものの5日SMAをわずかに回復してきた。また、5日SMAは上向きを維持している。また、一目均衡表の基準線は再び横ばいとなってきている。

 

NASDAQも、5日SMAを回復してきており、10日SMAが上向きは維持していることで、短期的には依然として上昇基調を維持している。ただ、一目均衡表の基準線は横向きとなってきており、不透明感が出始めている。

 

ストキャスティクス(パラメータ:14、5、3、20、80)では、三指数ともかなり過熱感が出てきている。また、NYダウは%Kが%Dを下抜けしてきた。また、S&P500とNASDAQも%Kの勢いが鈍化してきている。今週末から1-3月期の米企業の決算発表が始まるが、決算発表までは自社株買いを控えることから買い方が減少し下落しやすい地合いとなっている。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.196%、S&P500:3.477%、NASDAQ:2.025%も下落時の節目となりやすい。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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