FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで3月26日の米国株市場を先取り!

 

3月25日(月)の米国3市場は、NYダウ:14.51ドル高の25,516.83ドル、S&P500:2.35ポイント安の2,798.36ポイント、NASDAQ:5.13ポイント安の7,637.54とNYダウは反発したものの、S&P500とNASDAQは小幅に下落した。一方、米長期金利は、世界的な景気減速懸念から2.40%割れとなる2.395%に大幅低下(価格は上昇)した。『22日付けPERと株価から逆算』して3月25日付け予想PER計算すると、NYダウ:16.93倍、S&P500:17.33倍、NASDAQ:24.20倍と、NYダウはわずかに前日比でPERは上昇したが、S&P500とNASDAQは前日比でPERは低下した。2011年4月21日以降の平均値は、NYダウ:14.99倍、S&P500:16.59倍、NASDAQ:21.76倍で現在3指数とも大幅に上回っている。このPERを基に25日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.511%、S&P500:▲3.374%、NASDAQ:▲1.736%と、3指数ともにイールドスプレッドは前日比で大幅に拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)となった。

米長期国債金利は、利回りは一時2.3754%前後と2017年12月中旬以来約1年3カ月ぶりの低水準を付けた。世界景気の減速懸念を背景に安全資産とされる債券を買う(金利は低下)動きが継続した。米国株はほぼ横ばいの動きであったが、米長期金利が低下したことで、イールドスプレッドは大幅に拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。

 

昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。

 

25日(月)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.469%⇒▲3.511%となり拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から0.715%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.442%へ縮小してきている。NYダウは、世界景気の減速懸念からアジア、欧州株が下落した流れを引き継いで売りが先行した。アップルやインテル、JPモルガン・チェースなどが売られ、指数は一時130ドル超下げた。ただ、前週末に急落した反動で押し目買いなどが入ると引けにかけて持ち直した。ボーイングやキャタピラー、マイクロソフトなどが買われ、指数の下支え要因となった。 ロバート・ムラ―特別検察官が2016年の大統領選へのロシア政府の関与について証拠不十分として一連の捜査を終了したものの、株式相場への影響は限定的だった。VIX指数は16.48から16.33へ低下した。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.326%⇒▲3.374%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。S&P500も割安感が徐々に払拭されていたが、大幅下落で修正されてきている。1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.495%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.643%へ縮小してきている。

 

NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.688%⇒▲1.736%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.443%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.538%へ縮小してきている。

 

テクニカル的には、NYダウは、気迷いの『十字線』となっており、一旦下げ止まったものの気迷いムードが残っている。下値ではダブルトップネックラインとなる3月11日安値25,208ドルや200日SMA25,182ドルが意識されやすい。3月11日安値のネックラインを下抜けするとさらに下落調整基調が続きやすいので注意が必要となる。S&P500は、25日SMA2,796ポイントを挟んだ攻防となっており、下抜けると200日SMAの2,756ポイントが視界に入る。NASDAQは、25日SMAの7,585ポイントがサポートとして意識されている。ただ、上値では10日SMAの7,684ポイントや5日SMAの7,714ポイントがレジスタンスとして意識される。

ストキャスティクス(パラメータ:14、5、3、20、80)では、買われ過ぎ過熱感があるところから、三指数ともに%Kが%Dを下抜けたことで、下落調整局面が継続している。週末に大幅に下落した反動から一旦押し目買いで下げ止まっているが、世界的な景気減速懸念が残っていることで、基調的には下押しバイアスとなっている。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.312%、S&P500:3.596%、NASDAQ:2.063%も下落時の節目となりやすい。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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