FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで3月22日の米国株市場を先取り!

 

3月21日(木)の米国3市場は、NYダウ:216.84ドル高の25962.51ドル、S&P500:30.65ポイント高の2,854.88ポイント、NASDAQ:109.99ポイント高の7,838.96と三指数ともに上昇した。一方、米長期金利は、FOMCのハト派の結果を受け2.533%に低下(価格は上昇)した。『20日付けPERと株価から逆算』して3月19日付け予想PER計算すると、NYダウ:17.08倍、S&P500:17.65倍、NASDAQ:24.74倍と、前日比で三指数ともPERは上昇した2011年4月21日以降の平均値は、NYダウ:14.99倍、S&P500:16.59倍、NASDAQ:21.76倍で現在3指数とも大幅に上回っている。このPERを基に21日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.322%、S&P500:▲3.133%、NASDAQ:▲1.509%と、3指数ともにイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)となった。米長期国債金利は、時間外取引では一時2.5%を割り込み昨年1月9日以来の低水準を付けた。ただ、この日発表の米経済指標が良好な内容だったほか、米国株相場が上昇すると安全資産とされる債券に売り(利回り上昇)が出て前日と変わらずに引けた。このところの米国株の上昇も米長期金利がそれ以上に低下していることから、イールドスプレッドは一時よりも拡大気味で推移している。

 

昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。

 

21日(木)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.370%⇒▲3.322%となり縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から0.904%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.253%へ縮小してきている。NYダウは、米連邦準備理事会(FRB)は20-21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、年内の利上げを見送る方針を示した。低金利の長期化で株式市場への資金流入が続くとの観測が高まり、NYダウは一時260ドル超上げた。アナリストが投資判断を引き上げたアップルが3.8%上昇し、1銘柄で指数を50ドルほど押し上げた。 VIX指数は13.91から13.63へ低下した。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.194%⇒▲3.133%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。S&P500も連日の上昇で割安感が徐々に払拭されてきている。1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.736%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.402%へ縮小してきている。

 

NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.567%⇒▲1.509%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.670%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.311%へ縮小してきている。

 

テクニカル的には、NYダウは、10日SMAの25,743ドルがサポートとして意識され、再び5日SMA25,872ドルと25日SMAの25,813ドルを回復する展開となった。そのため、上昇基調を維持している。下値では200日SMAの25,177ドルもサポートとして意識されている。S&P500も、5日SMAの2,833ポイントを回復してきており、短期的には上昇余地が広がってきている。NASDAQも同様に5日SMAの7,733ポイントを回復しており、上昇余地が広がっている。

ストキャスティクス(パラメータ:14、5、3、20、80)では、三指数ともに%Kが%Dを上抜けており、かい離幅を広げて上向きとなっていることで、上昇の勢いは継続している。ただ、S&P500とNASDAQはやや買われ過ぎ過熱感が出てきていることには注意が必要となる。市場では割高感はあるものの、FOMCのハト派の結果を受けて米長期金利の低下が株価の割高感を打ち消している。そのため、米長期金利が引き続き低下傾向が強まるなら、株価への割高感は緩和される。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.263%、S&P500:3.531%、ナスダック:2.003%も下落時の節目となりやすい。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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