FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで2月28日の米国株市場を先取り!

 

2月27日(水)の米国3市場は、NYダウ:72.82ドル安の25,985.16ドル、S&P500:1.52ポイント安の2,792.38ポイント、NASDAQ:5.21ポイント高の7,554.51と、NYダウとS&P500は下落した一方で、NASDAQはわずかに上昇した。一方、米長期金利は、2.683%に上昇(価格は下落)した。『26日付けPERと株価から逆算』して2月27日付け予想PER計算すると、NYダウ:16.63倍、S&P500:17.28倍、NASDAQ:23.37倍と、NYダウとS&P500は前日比でわずかに低下(割安)となったが、NASDAQはわずかに上昇(割高)となった。2011年4月21日以降の平均値はNYダウ:14.98倍、S&P500:16.58倍、NASDAQ:21.74倍を現在3指数とも大幅に上回っている。このPERを基に27日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.330%、S&P500:▲3.104%、NASDAQ:▲1.596%と、3指数ともにイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)となった。米長期国債は、米企業の大型起債が相次いでいることから、需給悪化を懸念した売り(金利は上昇)が優勢となった。株価指数の下落率よりも米長期金利の上昇率が上回ったことで、イールドスプレッドは縮小(割高)する結果となった。

 

昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。

 

27日(水)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.356%⇒▲3.330%となり、縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から0.896%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.261%へ縮小してきている。NYダウは、インドとパキスタンの軍事対立を受け、投資家の地政学リスクを警戒するムードが高まった。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が『中国による追加購入だけでは通商交渉合意には不十分』と述べると、米中協議への楽観論がやや後退し相場の重石となった面もあった。 米朝首脳会談の結果を見極めたいとの思惑から下げ幅を縮小したものの、相場を押し上げるには至らなかった。VIX指数は15.17から14.70へ低下した。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.145%⇒▲3.104%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。S&P500も割安感が徐々に払拭されてきている。1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.765%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.373%へ縮小してきている。

 

 NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.644%⇒▲1.596%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.583%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.398%へ縮小してきている。

 

テクニカル的には、NYダウは、5日SMAのサポートを下抜けしたもの、10日SMAがサポートなり下押しも限定的となった。また、5日SMAと10日SMAは上向きとなっており、現状のところは上昇基調が継続している。さらに、25日SMAが上抜きとなっていることから、中期的な上昇トレンドも継続している。12月3日の直近高値25,980ドルを上抜けしたことから、上値切り上げとなる上昇トレンド転換している。しかし、相当過熱感が出てきており何時下落調整の動きになっても不思議ではない。S&P500も、NYダウ同様に一旦5日SMAを下抜けしたものの、10日SMAがサポートとなり上昇基調を維持している。NASDAQも、レジスタンスとして意識されていた200日SMAを上抜けしたことで上昇基調を維持している。3指数ともにストキャスティクスでは90%前後で買われ過ぎ過熱感が強まっている。米国株全般にレジスタンスを上抜けしてきたことで、上昇基調が継続しているものの割高感強く、調整的な下落調整となっても不思議ではない。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.256%、S&P500:3.506%、ナスダック:2.041%も下落時の節目となりやすい。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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