FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで12月14日の米国株市場を先取り!

 

12月12日(水)の米国3市場は、NYダウ:157.03ドル高、S&P500:66.48ポイント高、NASDQ総合:14.29ポイント高となり、3指数ともに上昇した。また、米長期金利は2.914%と前日2.878%から金利は上昇(価格は下落)し、3日連続上昇となった。12月12日付けイールドスプレッドは、NYダウ:▲3.395%、S&P500:▲3.099%、NASDAQ:▲1.453%とイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)となった。3指数が上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは大幅に縮小した。

 

12月12日(水)の米国株式市場は、中国による米国産大豆など農産物の輸入拡大や、米政権が問題視している中国の産業政策『製造2025』について、中国が見直しを計画しているとの報道が好感された。また、中国通信機器大手「ファーウェイ」の副会長が保釈されたことなどを受けて、通商摩擦をめぐる米中協議の進展期待が高まった。キャタピラーやボーイングなど中国向け売上比率が高い銘柄中心に買いが広がり、一時450ドル超上げた。ただ、原油先物価格が下げに転じると石油株などに売りが出て伸び悩んだ。 キャタピラーやボーイングなど中国向け売上比率が高い銘柄中心に買いが広がり、一時450ドル超上げた。ただ、原油価格が下げに転じると石油株などに売りが出て伸び悩んだ。 VIX指数は22.64から21.46へ低下した。

 

12月13日(木)の米国3市場は、NYダウ:70.11高、S&P500:0.53ポイント安、NASDAQ:27.98ポイント安と、まちまちの動きとなった。また、米長期金利は前日比ほぼ変わらずの2.913%とわずかに低下した。12日付けPERと株価から逆算して13日PER計算すると、NYダウ:15.90倍、S&P500:16.63倍、NASDAQ:22.81倍とNYダウはPERが上昇したが、S&P500はほぼ変わらず、NASDAQは若干低下した。このPERを基に13日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.378%、S&P500:▲3.101%、NASDAQ:▲1.471%とNYダウは若干イールドスプレッドは縮小(米国10年債に対して米国株は割高)となったが、S&P500とNASDAQはわずかに拡大(米国10年債に対して米国株は割安)した。

 

参考となるのは、10月3日の株価下落直前のピークでは、NYダウ:▲2.468%、S&P500:▲2.146%、NASDAQ:▲0.601%となる。一方で10月29日に底値となったNYダウ:▲3.115%、S&P500:2.865%、NASDAQ:▲1.333%である。

 

13日(木)の米国株は、英国のメイ首相が党内の信任投票に勝利し、同国のEU離脱交渉を巡る先行き不透明感がやや払拭されたほか、週間新規失業保険申請件数が予想より減少し、米景気減速懸念が後退したことから買いが先行した。アナリストが投資判断を引き上げたプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が買われたほか、景気変動の影響を受けにくいとされるマクドナルドなどが上げた。3Mやアップルなども堅調だった。 しかし、米中通商協議の進展に懐疑的な見方も広がる中、トランプ大統領が来週のFOMCでの利上げをけん制すると、上げ幅を縮小しもみ合う展開となった。VIX指数は21.46から20.65へ低下した。NYダウはイールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。S&P500とNASDAQはわずかに拡大した。10月29日の反転した時のイールドスプレッドより大幅に上回っている。12月13日(木)では、イールドスプレッドの割安感が残っている。ただ、米長期金利が下げ渋る展開となっていることこあり、イールドスプレッドの縮小要因となる。来週18-19日にFOMCが開催され、利上げは織り込まれているものの、先行きの金利見通しを示すドットチャートの結果を見極めたいとのムードもあり、債券の売買が交錯しやすい地合いとなっている。

 

テクニカル的に見てみると、NYダウのロウソク足は十字線に近い『小陽線』となり、引き続き相場に迷いがあるロウソク足が出現している。ただ、5日SMAの24,461ドルは下向きではあるが、昨日はサポートとして意識された。下値目処としては直近安値となった12月10日の23,881ドルがサポートとして意識される。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)では、%K:25.06、%D:26.36と%Kが%Dに接近してきており、下落の勢いは鈍化傾向となっている。投資家の迷いがロウソク足に出ている。

 

S&P500のロウソク足は『小陰線』となっているものの、NYダウ同様に5日SMAの2,641ポイントがサポートとして意識された。ストキャスティクスは、%K:24.34、%D:25.90とNYダウ同様に%K が%Dに接近する動きとなっている。

 

NASDAQは、5日SMAの7,038ポイントがサポートとして意識されている一方で、10日SMA7,158ポイントや25日SMA7,177ポイントがレジスタンスとして意識される展開となっている。ストキャスティクスは、%K29.54、%D:33.61と両線とも下向きとなっており、回復戻り基調にはなっていない。

 

3指数とも安値圏でのもみ合い相場となっている。また、ロウソク足も投資家の迷のが続いている形状のロウソク足となっている。季節要因として12月は税金対策のため、含み損を抱えている株を売って税金の調節することが多い。ただ、この動きもクリスマスを控えて来週前半頃には一巡しやすい。市場では、NYダウの年初来高値からの10%下落24,256ドルが下値目処として意識される展開となっている。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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