FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで11月12日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、三指数で上昇・下落のまちまちとなり、レイバーデーで米国債券市場が休場だったことから、前日の米長期金利を使用した。イールドスプレッドはNYダウは縮小したが、S&P500とNASDAQは拡大するなどまちまちの展開となった。三指数とも割高なほどは買われているわけではないものの、過去のイールドスプレッドと比較して目に見えて割安感が薄れてきている。

 

NYダウは、5日SMAの27,606ドルがサポートとなり短期的な上昇基調は継続している。10日SMAの27,415ドルが上向きとなっており、短期的な上昇基調は継続している。ただ、ロウソク足の実体が小さくなっていることから、相場に迷いが出始めている可能性がある。そのため、今後も長期金利が上昇するようなら米国株の割高感が意識されるようになる。NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。割高になると米国株を売って、安全資産である債券などに資金がシフトされやすくなり、米国株の下落調整しやすい地合いとなる。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.253%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・11月8日:▲3.350%⇒11月11日予想▲3.347%

 

11月11日はNYダウは小幅上昇し、長期金利はレイバーデーで債券市場が休場だったことから、8日終値の1.941%を使用した。株価が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で小幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.253%から▲0.906%と平均値よりかい離が縮小している。18年12月3日の天井▲3.069%まで▲0.278%に接近してきた。19年4月25日の天井3.048%まで▲0.299%に接近してきた。

 

NYダウが小幅上昇したことで株式益利回りは低下した。イールドスプレッドは前日比で縮小し3.4%台割れとなっている。そのため、米国債券に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債券を買う方が良いことになる。米中貿易協議をめぐる楽観論が後退したほか、香港情勢の悪化を懸念した売りが先行し一時160ドル超下げた。ただ、個別に材料の出た航空機のボーイングやドラッグストア大手のウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが大幅高となり、NYダウをプラス圏に押し上げた。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.577%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・11月8日:▲3.286%⇒11月11日予想▲3.297%

 

S&P500が小幅下落したことで、米長期金利は横ばいとしてイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.577%から▲0.280%と平均値より縮小している。また、18年12月3日の天井となった▲2.731%まで▲0.566%に接近した。19年4月25日の天井となった2.966%まで▲0.331%に接近した。イールドスプレッドが徐々に縮小してきており、割高感に近づいている。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.103%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・11月8日:▲1.767%⇒11月11日予想▲1.772%

 

NASDAQが下落したうえ、米長期金利は横ばいとしたことでイールドスプレッドが前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.103%から▲0.331%と平均値より縮小した。また、18年12月3日の天井となった▲1.198%まで▲0.574%に接近した。19年4月25日の天井となった▲1.468%まで▲0.304%に接近した。

 

NASDAQが下落したうえ、米長期金利を横ばいとしたことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。割高にはなっていないが、イールドスプレッドが1.80%台割れまで縮小してきており、割安感も払しょくされてきている。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。

 

三指数のイールドスプレッドは、指数上昇・下落とまちまちの動きとなったことで、米長期金利を横ばいとしたことから、NYダウは縮小し、S&P500とNASDAQはわずかに拡大した。米国株は割高感を感じるまでは買われているわけではないが、全般米国株への割安感は薄れてきている。割高・割安感がないということは見方を変えれば、上振れ・下振れしやすいとも言える。米長期金利が引き続き上昇すると、米国株に割高感が出てくるので、今後の米長期金利の動向には注意が必要となる。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

 

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