FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで1月31日の米国株市場を先取り!

 

1月30日(水)の米国3市場は、NYダウ:434.90ドル高の25,014.86ドル、S&P500:41.05ポイント高の2,81.05ポイント、NASDAQ:154.79ポイント高の7,183.08と、3指数ともに大幅に上昇した。一方、米長期金利は米FOMCやパウエル米FRB議長のハト派的な内容から債券が買われ(利回りは低下)金利は2.681%と2.7%割れとなった。『29日付けPERと株価から逆算』して30日付け予想PER計算すると、NYダウ:15.85倍、S&P500:16.95倍、NASDAQ:22.23倍と、3指数ともに大幅にPERは上昇した。2011年4月21日以降の平均値はNYダウ:14.95倍、S&P500:16.58倍、NASDAQ:21.73倍を3指数とも上回っている。このPERを基に30日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.628%、S&P500:▲3.219%、NASDAQ:▲1.624%と、三指数ともイールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)となった。米長期国債は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が『想定以上にハト派寄りだった』と受け止められ、債券買い(金利は低下)が入った。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が会見で『利上げの論拠はやや弱まった』と述べたことも債券買いを誘った。

 

NYダウの昨年の年初来底値時のイールドスプレッドを参考にする。4月2日に付けた年初来安値時のNYダウ:▲3.579%、S&P500:▲3.145%、NASDAQ:▲1.640%や、2月9日の反転時となったNYダウ:▲3.300%、S&P500:▲2.756%、NASDAQ:▲1.313%だった。

 

30日(水)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.712%⇒▲3.628%となり大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日の直近のイールドスプレッドの▲4.226%から0.598%に拡大してきている。NYダウは、ボーイングの四半期決算が予想を大幅に上回ったほか、アップルの決算が『想定ほど悪い内容ではなかった』と受け止められ、両社の株価がともに6%を超す急伸した。2銘柄でNYダウを240ドル押し上げた。さらに連邦公開市場委員会(FOMC)では、大方の予想通り政策金利は据え置かれた。これまで年内2回を想定していた追加利上げ見通しを、『様子見する』と実質的に一時停止する方針へと転換したことが好感された。量的緩和で膨らんだ米国債などの資産縮小も近く終了する可能性を示唆した。FOMCの発表を受けて一段高となり、一時520ドル超上げた。VIX指数は19.13から17.66へ大幅低下した。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.281%⇒▲3.219%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。S&P500も割安感は残っているものの、1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.650%に拡大してきている。

 

 NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.688%⇒▲1.624%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.555%に拡大してきている。

 

NYダウは、75日SMAレジスタンスを上抜けたものの、200日SMAの24,981ドルや260日SMAの24,967ドルがレジスタンスとして意識され上値を抑えている。S&P500指数も75日SMAを上抜けしてきたことで、200日SMAの2,741ポイントや260日SMAの2,735ポイントが新たなレジスタンスとして意識される。NASDAQも75日SMAを上抜けしたことで、200日SMAの7,453ポイントや260日SMA7,402ポイントが次のレジスタンスとして意識される。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.433%、S&P500:3.574%、ナスダック:2.064%も下落時の節目となりやすい。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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