FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで1月26日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、三指数とも全て反落する展開になった。ウクライナを巡る緊張に加え、連邦準備制度理事会(FRB)が開催している連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒感から利益確定売りが続き、寄り付き後は下落した。速やかな利上げ観測が強まる中で2年債入札に続き5年債入札でも国内外の強い需要が見られると安心感に繋がり、売り圧力が後退した。NYダウは一時上昇に転じる局面もあった。しかし、引けにかけてはFRBの速やかな引き締めを警戒した根強い売りに主要株式指数は下落で終了した。一方、長期金利は、ウクライナ情勢への懸念から安全資産とされる米国債には買い(利回りは低下)が先行したものの、明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前にポジション調整目的の売り(利回りは上昇)が出ると値を消した。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が小幅上昇した一方で、米国主要三指数とも反落したことで前日比で拡大した。そのため、割高感が弱まる展開になった。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。米国株のVIX指数は29.90から31.16へ上昇した。30を上回ってきたことで、リスク回避の動きがかなり強まってきている。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.279%

・直近イールドスプレッド縮小:20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

                21/1/11-▲2.611%、21/10/21-▲2.758%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・1月24日:▲2.764%⇒1月25日:予想▲2.767%(前日比で拡大:割安)

 

1月25日のNYダウは反落した一方で、米長期金利は小幅上昇したもののイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.279%から▲0.512%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.459%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.335%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.774%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.250%下回った。NYダウは、ウクライナを巡る地政学リスクが引き続き警戒される中、翌日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を控え、値動きの荒い展開が続いた。原油高を好感したエネルギー株や金利上昇を背景に金融株が上昇した一方、ハイテク・グロース株が幅広く売りに押された。前日に1000ドル超下落後、プラス圏で終了したNYダウは、この日も818ドル安まで下落後に、226ドル高まで上昇し、66.77ドル安(-0.19%)と小幅に反落して終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.779%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・1月24日:▲2.891%⇒1月25日:予想▲2.943%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500は反落した一方で、米長期金利は小幅上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.779%から+0.164%と平均値より下方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.926%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.059%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.236%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.556%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.279%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.766%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、21/1/11-1.066%

              21/2/16-1.144%、21/11/23-1.299%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・1月24日:▲1.632%⇒1月25日予想▲1.707%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQは反落した一方で、米長期金利が小幅上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲1.766%から▲0.059%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.472%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.676%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.791%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.096%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.387%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が小幅上昇した一方で、株価が大幅反落したことで前日比で拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.7%台前半でスプレッドが推移していることで割高感はかなり緩和されてきた。ただ、2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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