FITS エコノミックレポート

『WTI原油先物÷NY金先物』の基調転換が示すもの!

 

★国際商品市場では『WTI原油先物÷NY金先物』の相対倍率で、原油劣勢の一服と原油優位への基調転換が固まりつつある。世界的な景気回復と安全逃避後退、デフレ懸念緩和、ドル安一服などを示唆するもので、日本では円高・ドル安の抑制と株高持続に寄与しやすい。同倍率はトレンドを示す12カ月移動平均の方向角度が上向き化に転じており、過去実績として1-2年の基調継続と世界的な循環回復の同時進行が支援される。金安・原油高の流れは、安全逃避から設備投資など前向きな投資への資金移転を促すことになる。

過去実績として『原油÷金』の相対倍率の底入れは、資源需要の復調を含めた世界景気の回復を先取りする前兆シグナルとなってきた。1980年代以降の長期実績として、日米での設備投資や米国の失業率とも時間差ケースを含めた連動相関性が確認されている。しかも同倍率ではトレンドを示す12カ月移動平均線の方向角度が、上向き化へと向かい始めている。2018年10月以来となるもので、約2年超に及んだ下向きの原油劣勢トレンドが一服となってきた。過去実績として上向き転換は世界景気の循環回復入りと密接な連動性を有しており、1-2年間は回復トレンドが持続延命されている。

『原油÷金』相対倍率で12カ月移動平均が上向き化となったあとは、ドル/円でドルの下げ幅縮小やドル反発が連動観測されている。背景としては、①世界景気回復によるリスク回避の円高後退、②金反落と裏表のドル反発、③原油反発(=米物価上昇)と世界景気回復などによる米国債金利の上昇、④原油反発による日本でのデフレ・円高緩和や日本の輸入増(貿易黒字抑制)といった要因がある。

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