FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで9月24日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、三指数全て大幅下落する展開となった。米追加経済対策成立の見通しが立たないなか、徐々に売りが優勢となった。また、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が2日目となる下院特別委員会での証言でパンデミック危機からの回復が依然不透明だと懸念を再表明、投資家心理が悪化し下落に転じた。一方米長期金利は、新型コロナウイルスのワクチン開発への期待から相対的に安全資産とされる米国債に売り(金利は上昇)が出たものの、米国株が軟調に推移すると債券買い(金利は低下)が入り下げ渋った。このところ、米長期金利の変動幅が上下に大きくなっており、日々イールドスプレッドへの影響が強まる展開となっている。そのため、今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数とも割高感は残っており、引き続きリスク回避の材料が出ると下落しやすい。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬が開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第2波』が懸念されている。さらに、米大統領選を控えて、米中対立の激化が懸念されている。しかし、経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は26.86から28.58へ上昇した。 VIX指数が20台後半で推移していることで、リスク回避の動きは継続している。株価の日中ボラティリティが高まっていることから、しばらくは不安定な動きが続きそうである。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.325%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%、20/09/1-▲2.867%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・9月22日:▲3.172%⇒9月23日:予想▲3.241%(前日比で拡大:割安)

 

9月23日のNYダウが大幅反落した一方で、米長期金利はわずかに上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.325%から▲0.084%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲0.985%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.861%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.300%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.776%下回った。良好な小売り決算や新型コロナウイルスワクチン実用化への期待感から上昇して寄り付いた。しかし、米追加経済対策成立の見通しが立たないなか、徐々に売りが優勢となった。また、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が2日目となる下院特別委員会での証言でパンデミック危機からの回復が依然不透明だと懸念を再表明、投資家心理が悪化し下落に転じた。さらに、欧州で新型コロナウイルス感染が再拡大していることを受けて景気敏感株が売られた。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.774%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/04/25-▲2.966%

               20/08/27-▲2.677%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・9月22日:▲2.957%⇒9月23日予想▲3.039%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500が大幅反落した一方で、米長期金利はわずかに上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.774%から+0.265%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.830%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲0.963%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.140%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.460%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.183%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.808%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

               20/08/27-▲1.452%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・9月22日:▲1.691%⇒9月23日予想▲1.759%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQが大幅反落した一方で、米長期金利はわずかに上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲1.808%から▲0.049%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.420%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.624%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.739%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.044%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.335%下回った。

 

NASDAQは、前日反発した主力ハイテク株への売りが再び強まった。イールドスプレッドは、米長期金利がわずかに上昇したものの、株価が大幅反落したことで拡大した。一時のイールドスプレッドより半分以下まで縮小している。そのため、引き続き割高感から利益確定売りが出やす地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.7%台半ばで推移しているが、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが入ると引き続き下落しやすい。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数ともに拡大する展開となった。三指数は全て下落する展開となった。また、米長期金利はわずかに上昇した。米追加経済対策成立の見通しが立たないなか、徐々に売りが優勢となった。また、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が2日目となる下院特別委員会での証言でパンデミック危機からの回復が依然不透明だと懸念を再表明、投資家心理が悪化し下落に転じた。今後も新型コロナウイルス感染報道やワクチン開発の進展、米国追加財政策の行方、米中対立激化懸念、中東情勢、原油価格の変動、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続く。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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