FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで2月25日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、三指数ともに上昇する展開になった。米長期金利の上昇を嫌気する格好で売りが先行し一時110ドル超下落したものの、売り一巡後は米追加経済対策の成立や経済活動の正常化を期待した買いが優勢となり上げに転じた。一時470ドル超上昇し、初めて3万2000ドル台に乗せた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言で『FRBが掲げるインフレ目標2%の達成に3年以上かかる可能性がある』などと発言すると、米金融緩和の長期化観測が改めて高まり買いが広がった面もある。NYダウは引けにかけて上昇幅を拡大、史上最高値を更新して終了した。一方米長期金利は、米景気回復や国債増発を見込んだ売り(利回りは上昇)が先行した。10年債利回りは一時1.4337%前後と昨年2月以来約1年ぶりの高水準を付けた。ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて、米金融緩和策が長期化するとの見方が改めて意識されると買い(利回りは低下)戻しが優勢となり下げ幅を縮めた。なお、米5年債入札は『低調』と受け止められたが、相場の反応は限られた。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数ともかなり割高感が残っており、リスク回避の材料が出ると下落しやすい。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬の投与で有効性が実証されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第3波』が懸念されている。しかし、追加経済対策期待や経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は23.11から23.34へ上昇した。再びVIX指数がえ23前半で推移していることで不安定な値動きが継続しやすい。20を割れるまでは不安定な動きが継続する。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.311%

・直近イールドスプレッド縮小:19/4/25-▲3.048%、20/09/1‐▲2.867%

                20/10/12-▲2.847%、21/1/11-▲2.611%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・2月23日:▲2.992%⇒2月24日:予想▲2.903%(前日比で縮小:割高)

 

2月24日のNYダウは大幅続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.311%から▲0.408%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.323%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.199%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.638%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.114%下回った。NYダウは、序盤は長期金利の上昇が嫌気され、ハイテク・グロース株を中心に下落してスタートしたが、パウエルFRB議長が議会証言で金融政策の目標を達成するまで3年かかるかもしれないなどと超緩和的金融政策の長期継続を示唆したことでインフレ高進懸念が和らいだ。1.9兆ドルのコロナ対策法案の成立期待やワクチン接種進展による景気回復期待も投資家心理の改善につながり、空運やクルーズ、エネルギーなどの景気敏感株が軒並み高となった。NYダウは朝方に116ドル安まで下落したが、終盤に472ドル高まで上昇し、424.51ドル高(+1.35%)の31961.86ドルと4日続伸して終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.773%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・2月23日:▲2.838%⇒2月24日予想▲2.759%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500は続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.773%から▲0.014%と平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.110%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.243%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.420%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.740%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.463%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.792%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、20/12/4-1.351%

              21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・2月23日:▲1.262%⇒2月24日予想▲1.204%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQは大幅反発したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.792%から▲0.588%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.975%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.179%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.294%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.599%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.890%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇したうえ、株価も大幅反発したことで縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.2%台前半まで縮小して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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