FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで2月18日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、NYダウは小幅続伸したものの、S&P500指数とナスダック指数は続落する展開になった。1月の生産者物価指数(PPI)が予想を大幅に上回ったためインフレ懸念が再燃し寄り付き後、下落した。また、欧州株の下落につれた売りが出たほか、相場の過熱感を警戒する売りが先行し一時180ドル超下げたものの、売り一巡後は徐々に下値が堅くなった。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月26日-27日分)で『米景気回復はFRBの目標にはほど遠いとの認識で一致』と明らかになったほか、市場が警戒する物価上昇について『一時的で長続きしない』との認識が示されると買いが優勢になった。一方米長期金利は、1月米小売売上高や1月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことを受けて債券売り(利回りは上昇)が先行したものの、米国株相場の下落を理由に一転買い戻し(利回りは低下)が優勢となった。市場では『相場下落が続いたあとだけに押し目買いが入った』との声も聞かれた。なお、20年債入札が『低調だった』と受け止められると債券売りが強まる場面もあった。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数ともかなり割高感が残っており、リスク回避の材料が出ると下落しやすい。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬の投与で有効性が実証されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第3波』が懸念されている。しかし、追加経済対策期待や経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は21.46から21.50にわずかに上昇した。再びVIX指数がえ21半ばまで上昇したことで不安定な値動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.312%

・直近イールドスプレッド縮小:19/4/25-▲3.048%、20/09/1‐▲2.867%

                20/10/12-▲2.847%、21/1/11-▲2.611%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・2月16日:▲2.939%⇒2月17日:予想▲2.965%(前日比で拡大:割安)

 

2月17日のNYダウは小幅続伸した一方で、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.312%から▲0.347%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.261%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.137%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.576%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.052%下回った。NYダウは、朝方に183ドル安まで下落したが、120ドル高まで反発し、90.27ドル高(+0.29%)と3日続伸して終了した。前日に続いて取引時間中の史上最高値を更新し、終値では3日連続での最高値更新となった。アップルが1.76%安となったものの、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイの株式取得が明らかになったベライゾンが5.24%高、シェブロンが3.00%高となったほか、ホーム・デポが2.01%高、ナイキも1.61%高となりNYダウを押し上げた。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.773%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・2月16日:▲2.757%⇒2月17日予想▲2.798%(前日比で縮小:割安)

 

S&P500は小幅続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.773%から+0.025%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.071%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.204%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.381%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.701%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.424%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.793%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、20/12/4-1.351%

              21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・2月16日:▲1.144%⇒2月17日予想▲1.198%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQは続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲1.793%から▲0.595%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.981%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.185%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.300%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.605%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.896%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が低下したうえ、株価も続落したものの縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.1%台後半まで縮小して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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