FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで12月9日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、三指数ともに小幅上昇する展開となった。7-9月期非農業部門労働生産性改定値が予想外に下方修正されたほか、追加経済対策で、共和党マコーネル上院院内総務が超党派の案を支持しない方針を示したため寄り付き後に下落した。その後、米食品医薬品局(FDA)が10日の会合を控え、ファイザー開発の新型コロナウイルスワクチンの有効性に良好な見解を示すと早期のワクチン配布への期待が高まった。また、英国では新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、米国でも近く使用が承認されるとの見方から経済活動の正常化を期待した買いが入った。ナスダック総合指数やS&P500指数は史上最高値を更新した。一方米長期金利は、米国での新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う経済活動制限への懸念、英国と欧州連合(EU)間の協議に対する先行き不透明感などが意識されて買い(利回りは低下)が先行した。もっとも、米国株式相場が堅調に推移したことをながめ、次第に上値は重くなった。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数ともかなり割高感が出ており、リスク回避の材料が出ると下落しやすい。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬の投与が実施されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第3波』が懸念されている。しかし、追加経済対策期待や経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は21.30から20.68へ上昇した。VIX指数が20台後半まで低下していることから、一時的なリスク回避の動きは後退してきた。しかし、株価の日中ボラティリティが高まっていることで、引き続き不安定な動きが続く。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.320%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・12月7日:▲2.952%⇒12月8日:予想▲2.947%(前日比で縮小:割高)

 

12月8日のNYダウが反発した一方で、米長期金利はわずかに低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.320%から▲0.373%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.279%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.155%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.594%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.070%下回った。英国でファイザーとビオンテックのコロナワクチンの接種が始まるなか、米食品医薬品局(FDA)も同ワクチンの使用を認めるとの見方が強まり、経済活動正常化期待が一段と高まった。追加経済対策を巡る与野党協議は、依然難航が伝えられたものの、共和党のマコネル上院院内総務が中小事業者支援など一部では与野党の意見が一致したと発言したことで年内の法案成立期待も続いた。NYダウは下落してスタートしたものの、176ドル高まで上昇し、取引時間中の史上最高値を更新した。104.09ドル高(+0.35%)と反発して終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.775%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/04/25-▲2.966%

               20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・12月7日:▲2.671%⇒12月8日予想▲2.669%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が小反発した一方で、米長期金利はわずかに低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.775%から▲0.106%と平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.200%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.333%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.510%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.830%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.553%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.803%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、20/10/12-▲1.450%

              20/10/22-1.438%、20/12/4-1.351%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・12月7日:▲1.388%⇒12月8日予想▲1.384%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQは小幅続伸した一方で、米長期金利はわずかに低下したもののイールドスプレッドは前日比でわずかに縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.803%から▲0.419%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.795%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.999%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.114%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.419%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.710%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利がわずかに低下した一方で、株価は小幅続伸したもののわずかに縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.3%台後半まで低下して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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