FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで12月2日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、三指数ともに上昇する展開となった。ペンス副大統領が各州知事にワクチン配布を2週間内に開始する可能性を伝えたことが明らかにしたことで、新型コロナウイルスのワクチン早期実用化への期待が高まったほか、中国の良好な指標を好感し寄り付きから大きく上昇したことで買いが優勢となった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米上院銀行委員会での議会証言で、『米経済回復への道のりは長い』と指摘した。米低金利政策の長期化観測が高まったことも相場を下支えした。また、追加経済対策を巡り、マコーネル共和党上院院内総務が年内の成立の必要性を主張したほか、ムニューシン財務長官とペロシ下院議長が協議することが明らかになったため期待が高まり、終日堅調に推移した。 一方米長期金利は、新型コロナワクチンが年内に実用化されるとの期待から米国株相場が堅調に推移した。そのため、相対的に安全資産とされる米国債に売り(利回りは上昇)が出た。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数ともかなり割高感が出ており、リスク回避の材料が出ると引き続き下落しやすい。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬が開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第3波』が懸念されている。しかし、追加経済対策期待や経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は20.57から20.77へ上昇した。VIX指数が20台後半まで低下したことから、一時的なリスク回避の動きは後退してきた。しかし、株価の日中ボラティリティが高まっていることで、引き続き不安定な動きが続く。また、S&P500が上昇したにも関わらず、VIX指数が上昇した翌営業日は弱含みの展開になりやすいので注意が必要となる。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.321%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・11月30日:▲3.089%⇒12月1日:予想▲2.981%(前日比で縮小:割高)

 

12月1日のNYダウが反発したうえ、米長期金利が大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.321%から▲0.340%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.245%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.121%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.560%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.036%下回った。ファイザーやモデルナのコロナワクチンの使用許可申請を受けて、ワクチン普及による2021年春以降の景気回復期待が高まったほか、追加経済対策への期待、イエレン前FRB議長の財務長官就任予定、パウエルFRB議長の議会証言を受けた低金利政策の長期化見通しなどが株式市場の支援となった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.775%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/04/25-▲2.966%

               20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・11月30日:▲2.817%⇒12月1日予想▲2.692%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が反発したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.775%から▲0.083%と平均値より下方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.177%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.310%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.487%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.807%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.530%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.804%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

              20/10/12-▲1.450%、20/10/22-1.438%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・11月30日:▲1.521%⇒12月1日予想▲1.407%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQは反発したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.804%から▲0.397%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.772%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.976%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.091%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.396%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.687%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が大幅上昇したうえ、株価が上昇したことから縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.4%台前半まで低下して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

 

 

 

 

 

 

 

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