FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで12月1日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、三指数ともに下落する展開となった。新型コロナのワクチン実用化の期待から上げていた金融や資本財など景気敏感株を中心に幅広い銘柄に売りが先行した。月末とあって持ち高調整や利益確定の売りが強まると、一時440ドル超下落した。市場では『NYダウは月間で12%高と1987年以来の大幅上昇となった。月末を迎えて利食い売りなどが出た』との声が聞かれた。一方米長期金利は、保有債券の残存期間を延ばす月末特有の買い(利回りは低下)が入った半面、ポジション調整目的の売り(利回りは上昇)が出たため相場は方向感が出なかった。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数ともかなり割高感が出ており、リスク回避の材料が出ると引き続き下落しやすい。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬が開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第3波』が懸念されている。しかし、追加経済対策期待や経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は20.84から20.57へ低下した。VIX指数が20台半ばまで低下したことから、一時的なリスク回避の動きは後退してきた。しかし、株価の日中ボラティリティが高まっていることで、引き続き不安定な動きが続く。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.321%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・11月27日:▲3.087%⇒11月30日:予想▲3.124%(前日比で拡大:割安)

 

11月30日のNYダウが反落した一方で、米長期金利は横ばいだったことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.321%から▲0.197%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.102%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.978%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.417%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.893%下回った。予想を下回った経済指標に加え、トランプ政権が中国の半導体メーカーや中国国営の大手石油グループをブラックリストに加える可能性が報じられると米中対立への懸念が再燃し寄り付きから下落した。新型ウイルス感染者数が増加基調にあることや規制強化が景気の足かせとなると引き続き懸念されたほか、共和党・民主党の譲歩の姿勢が見られず間もなく議会が休会に入ることなどから年内の追加経済対策成立期待も後退したため終日軟調推移となった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.775%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/04/25-▲2.966%

               20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・11月27日:▲2.796%⇒11月30日予想▲2.815%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500が反落した一方で、米長期金利は横ばいだったことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.775%から+0.040%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.054%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.187%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.364%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.684%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.407%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.804%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

              20/10/12-▲1.450%、20/10/22-1.438%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・11月27日:▲1.516%⇒11月30日予想▲1.518%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQは小幅反落一方で、米長期金利は横ばいだったことでイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲1.804%から▲0.286%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.661%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.865%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.980%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.285%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.576%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利は横ばいだったものの、株価が小幅反落したことから拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.5%台前半まで低下して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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