FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで10月30日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、三指数ともに反発する展開となった。原油価格の下落を警戒し寄り付き後に下落した。しかし、7-9月期米国内総生産(GDP)速報値が予想を上回り、統計開始以来最大の伸びを記録したことが投資家心理の改善につながった。また、週次新規失業保険申請件数も予想以上に減少し回復期待が広がったことに加え、新型コロナウイルスの治療薬やワクチン開発期待から上昇に転じた。前日までに4日続落し約3カ月ぶりの安値を付けたあとだけに押し目買いなども入った。引け後に決算発表を控えるアップルなど主力ハイテク株が業績期待で上昇し、相場をけん引した。一方米長期金利は、市場予想を上回る79月期米国内総生産(GDP)速報値や米国株高を受けて、相対的に安全資産とされる米国債が売られた(金利は上昇)。このところ、米長期金利は上下に振れる展開から、日々のイールドスプレッドへの影響が強まっている。そのため、今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数ともかなり割高感が出ており、リスク回避の材料が出ると大幅下落しやすい。今後も金利が上昇するようなら、株価は調整下落しやすい地合いが強まるので注意が必要となる。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬が開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第2波』が懸念されている。さらに、米大統領選を控えて、米中対立の激化が懸念されている。しかし、経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は40.28から37.59へ低下した。VIX指数が37台半ばで推移していることから、リスク回避の動きは継続している。株価の日中ボラティリティが高まっていることで、しばらくは不安定な動きが続く。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.323%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・10月28日:▲3.306%⇒10月29日:予想▲3.017%(前日比で大幅縮小:割高)

 

10月29日のNYダウが反発したうえ、米長期金利も大幅上昇したことからイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.323%から▲0.306%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.209%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.085%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.524%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.000%下回った。米国市場では7-9月期GDPが年率換算で前期比+33.1%と、政府が統計を開始した1947年以来最大の伸びを記録した。市場予想も上回っている。さらに週間の新規失業保険申請件数も、予想よりも改善の減少となっている。米国株はこうした指標改善もあり、前日までの大幅続落の反動調整的に上昇となった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.774%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/04/25-▲2.966%

               20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・10月28日:▲3.017%⇒10月29日予想▲2.914%(前日比で大幅縮小:割高)

 

S&P500が反発したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.774%から+0.140%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.955%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.088%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.265%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.585%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.308%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.806%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

              20/10/12-▲1.450%、20/10/22-1.438%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・10月28日:▲1.673%⇒10月29日予想▲1.576%(前日比で大幅縮小:割高)

 

NASDAQは反発したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.806%から▲0.230%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.603%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.807%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.922%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.227%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.518%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が大幅上昇したうえ、株価も反発したことで大幅縮小した。一時のイールドスプレッドより半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.5%台後半に低下して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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