FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで10月28日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、NYダウとS&P500は続落する一方で、NASDAQは反発する展開となった。10月消費者信頼感指数が、前月からの上昇予想に反して低下したため、経済をけん引する個人消費への懸念が広がり下落して寄り付いた。新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念が強まる中、市場では『来週の米大統領選に向けた持ち高調整の売りが出た』との指摘があった。NYダウは序盤小高く推移する場面もあったが、早期の追加経済対策への期待も後退し、次第に売りに押されほぼ安値引けとなった。一方米長期金利は、新型コロナウイルス感染第2波への懸念や米大統領選を巡る不安がくすぶる中、相対的に安全資産とされる米国債が買われた(金利は低下)。このところ、米長期金利の上昇基調は後退してきたが、上下に振れる展開から日々のイールドスプレッドへの影響が強まっている。そのため、今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数ともかなり割高感が出ており、リスク回避の材料が出ると大幅下落しやすい。今後金利が上昇するようなら、株価は調整下落しやすい地合いが強まるので注意が必要となる。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬が開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第2波』が懸念されている。さらに、米大統領選を控えて、米中対立の激化が懸念されている。しかし、経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は32.46から33.35へ上昇した。VIX指数が30台前半へ上昇したことで、リスク回避の動きは継続している。株価の日中ボラティリティが高まっていることから、しばらくは不安定な動きが続く。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.323%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・10月26日:▲3.061%⇒10月27日:予想▲3.122%(前日比で拡大:割安)

 

10月27日のNYダウが続落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.323%から▲0.201%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.104%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.980%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.419%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.895%下回った。新型コロナウイルスの感染拡大傾向が続く中、景気敏感系の銘柄が売りに押された一方、アマゾンやフェイスブックなど、グロース系の銘柄には見直し買いが入った。

 

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.774%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/04/25-▲2.966%

               20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・10月26日:▲2.807%⇒10月27日予想▲2.847%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500が反落したうえ、米長期金利も大きく低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.774%から+0.073%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.022%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.155%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.332%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.652%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.375%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.806%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

              20/10/12-▲1.450%、20/10/22-1.438%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・10月26日:▲1.540%⇒10月27日予想▲1.554%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQは反発した一方で、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲1.806%から▲0.253%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.625%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.829%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.944%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.249%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.540%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が大幅低下した一方で、株価は反発したものの拡大した。一時のイールドスプレッドより半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.5%台半ばへ低下して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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