FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで1月25日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、三指数とも全て反発する展開になった。ウクライナ情勢の緊迫化や今週予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備制度理事会(FRB)が速やかな引き締め計画を発表するとの脅威に寄り付き後は下落した。米国に続き英国やドイツもウクライナの大使館職員や家族の退避を決定したとの報道でさらに警戒感が強まり急落した。その後、安値から売られ過ぎとの見方や値ごろ感からの買いが目立ち下げ止まった。引け間際は、買戻しが加速し、主要株式指数は上昇に回復し終了した。一方、長期金利は、ウクライナ情勢への懸念から、安全資産とされる米国債には買い(利回りは低下)が先行したものの、大幅続落して始まった米国株が持ち直すと一転下落(利回りは上昇)した。 今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が小幅上昇したうえ、米国主要三指数とも反発したことで前日比で小幅に縮小した。そのため、割高感が若干強まった。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。米国株のVIX指数は28.85から29.90へ上昇した。20を大きく上回ってきたことで、リスク回避の動きが強まってきている。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.279%

・直近イールドスプレッド縮小:20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

                21/1/11-▲2.611%、21/10/21-▲2.758%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・1月21日:▲2.760%⇒1月24日:予想▲2.740%(前日比で縮小:割高)

 

1月24日のNYダウは7営業日ぶりに反発したうえ、米長期金利が小幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.279%から▲0.539%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.486%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.362%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.801%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.277%下回った。NYダウは、米連邦準備理事会(FRB)による早期利上げ観測や、ウクライナを巡る地政学リスクが意識され急落したが、売り一巡後は買い戻しが優勢となった。NYダウは99.13ドル高(+0.29%)と7営業日ぶりに反発した。NYダウは一時、1115ドル安(-3.25%)まで下落した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.779%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・1月21日:▲2.912%⇒1月24日:予想▲2.891%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が5日ぶりに反発したうえ、米長期金利も小幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.779%から▲0.112%と平均値より下方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.978%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.111%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.288%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.608%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.331%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.766%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、21/1/11-1.066%

              21/2/16-1.144%、21/11/23-1.299%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・1月21日:▲1.657%⇒1月24日予想▲1.628%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQは5日ぶりに反発したうえ、米長期金利も小幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.766%から▲0.138%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.551%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.755%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.870%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.175%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.466%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が小幅上昇したうえ、株価も反発したことで前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.6%台前半でスプレッドが推移していることで割高感は継続している。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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