FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで1月15日の米国株市場を先取り! 割高感は継続!

 

★NY株式市場では、三指数はまちまちの動きとなったものの、米長期金利がより低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。しかし、割高感が払しょくするような状況とはなっていない。上値追いとなるには米長期金利の低下がポイントとなる。また、中東情勢の緊迫化が早々に解決するとは思えず、再びリスク回避の動きが強まることも予想される。そのため、中東情勢による米国株の影響と米長期金利の動向が重要なポイントとなる。米国株への過熱感が高まってきたことから、十分注意する必要がありそうだ。NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。三指数とも割高危険水位までスプレッドが縮小してきているので注意。

 

NYダウは、5日SMAの28,874ドルがサポートラインとして意識されており、上昇基調は継続している。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを上抜けしてきたことで、再び上昇基調となってきた。ただ、史上最高値圏で推移しており、しばらくは上下に振れる展開が予想される。NYダウは過熱感が出ており、いつ下振れしても不思議ではない状況となってきている。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.104%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・1月13日:▲3.053%⇒1月14日予想▲3.083%

 

1月14日のNYダウが上昇したものの、米長期金利がより低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.104%から▲1.021%と平均値よりかい離していることで割高になっている。18年12月3日の天井▲3.069%まで▲0.014%に接近してきた。19年4月25日の天井3.048%まで▲0.035%に接近してきた。NYダウにかなり過熱感が出てきている。

 

NYダウ上昇したことで株式益利回りは低下した。一方で、米長期金利はより低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大した。米国債券に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債券を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。JPモルガン・チェースやシティグループなどの大手米銀の10-12月期決算が予想を上回ったため、投資家心理が上向き買いが広がった。NYダウは一時140ドル超上げた。ただ、米国が発動済みの対中関税について『大統領選後まで維持する可能性が高い』との報道が伝わると、第二段階目以降の交渉への先行き不透明感から上げ幅を縮小する展開となった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.449%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・1月13日:▲3.031%⇒1月14日予想▲3.074%

 

S&P500が下落たうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.449%から▲0.375%とかい離していることで割高になっている。また、18年12月3日の天井となった▲2.731%まで▲0.343%に接近した。19年4月25日の天井となった2.966%まで▲0.108%に接近した。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.965%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・1月13日:▲1.492%⇒1月14日予想▲1.535%

 

NASDAQが下落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドが前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲1.965%から▲0.430%と平均値より縮小した。また、18年12月3日の天井となった▲1.198%まで▲0.337%に接近した。19年4月25日の天井となった▲1.468%まで▲0.067%に接近した。ナスダックは、過去最高値を更新していただけに利益確定の売りが優勢となった。

 

NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。米中貿易交渉の進展期待が高まると買われやすい。一方で、米中関係悪化の報道では、売られやすい展開になりやすい。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数はまちまちの動きとなったものの、米長期金利が低下したことで拡大した。米長期金利が今後も低下するようなら、イールドスプレッドは拡大しやすく米国株の割高感が払しょくされやすい。中東情勢の緊迫化も一服しており、原油価格が低下していることもあって、米長期金利も低下しやすい地合いになってきている。米中貿易協議の第1段階合意にもかかわらず、米政府は対中関税を米大統領選まで維持するとの報道が伝わっており、今後の動向には注意が必要となる。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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