FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2019/10/29/15:16:33

日経平均株価:高値警戒感も強く上値の重い展開

前日の米国株式市場が米中通商合意への期待から上昇したほか、為替市場で1ドル=109円台まで円安に振れたことが好感された。リスク回避の動きが後退しており、日経平均は一時昨年10月11日以来の2万3000円台を回復した。しかし、テクニカル面では高値警戒感も強いことから、大台回復後は伸び悩んだ。結局、前日比106円高の2万2974円と7日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は109円近辺でもみ合う展開

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられて一時109.07円程度まで上昇、およそ3ヵ月ぶりの高値を付けた。しかし、今週予定されているFOMCや日銀金融政策決定会合を見極めたいとの雰囲気から、上値を追う動きは限られた。その後は、国内輸出企業などがドル売り・円買いに動き、108.95円近辺まで下落した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら、109.00円近辺でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.1095ドル前後で方向感を欠く展開となり、欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国の重要会議4中全会が開催

28日に中国共産党の重要会議である第19期中央委員会第4回全体会議(4中全会)が北京で開催された。会議は昨年2月以来と約1年8カ月ぶりとなる。長期化する米中貿易摩擦の影響などもあり、これほど間を空けたのは中国の改革開放路線が始まったこの40年間で初めてとなる。会議は31日まで行われる予定で、終了後に会議の結果や方針が公表される見通しである。今回の会議では、抗議活動が続く香港への対応や長引く米中通商協議など、習指導部が抱える『内憂外患』の問題にどういった方向性を示すかが注目される。第3四半期GDPが前年比6.0%と統計を始めた1992年以降で最低を更新し、第4四半期にも6%を割り込むのではないかと懸念されているなか、新たな景気刺激策発表が期待されているが、今回は政治が中心議題になるとの見方が多い。

 

イランは米制裁強化で財政赤字拡大:窮鼠猫を噛む可能性も

国際通貨基金(IMF)は発表した報告書で、イランが来年、財政赤字を解消するには、原油価格が1バレル=194.6ドルまで上昇する必要があるとの見方を示した。報告書によると、イランは米制裁強化を受け、今年の財政赤字がGDP比で4.5%に、来年は5.1%に膨らむ見通し。

 

米10月FOMCでタカ派利下げならドル買いの可能性も

米連邦準備制度理事会(FRB)は29日から30日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。インフレの低迷、世界経済の成長減速や貿易への不透明性を受けてFOMCはこの会合で25ベーシスポイントの利下げに踏み切ることがほぼ確実視されている。同時に、米中通商協議の進展や英国の欧州連合(EU)離脱が延期される可能性で成長減速リスクが軽減したため、FOMCは10月の利下げ後、政策金利を年内据え置くことを示唆するとの見方も浮上している。FOMCメンバーは年内3回の保険的な利下げで『十分』との見方を強めている可能性がある。FRBが公表した9月FOMC議事録の中で、何人かのFOMCメンバーは『市場は過剰に利下げを織り込みすぎている』と見ていることが明らかになった。パウエル議長は会合後の会見で、『midcycle adjustment』の終了に言及する可能性も指摘されている。タカ派的な利下げで年内の利下げ観測が後退するとドル買いに拍車がかかる。

 

米国経済指標はまちまちの展開

米国の9月シカゴ連銀全米活動指数は▲0.45と、予想外に8月0.15から再びマイナスに落ち込み、4月来で最低となった。米9月卸売在庫速報値も前月比▲0.3%と、8月+0.2%から予想外に6月来のマイナスに落ち込んだ。2017年10月来の低水準となった。一方、米9月前渡商品貿易収支は▲704億ドル。赤字幅は拡大予想に反して8月731億ドルから縮小し、2月来で最小となった。

 

31日にトランプ大統領弾劾調査における採決

トランプ米大統領が軍事支援と引き換えにバイデン前副大統領の調査をウクライナ政府に求めた疑いをめぐり、野党・民主党のペロシ下院議長は28日、トランプ氏の弾劾調査に議会のお墨付きを与えるための決議案を週内に本会議で採決すると明らかにした。民主党が一方的に調査を始めたとトランプ政権が批判しており、議会の総意を示すことで調査を円滑に進める狙いがある。米メディアによると、31日に採決する。決議案はトランプ氏に対する信任投票の意味合いがある。民主党内でも共和党の支持基盤が強い地区選出の議員は調査に賛成しにくい。一方で与党・共和党からも決議案に賛成する造反者が出る可能性があり、共和党がトランプ氏の擁護でどの程度まとまっているかを測るバロメーターになる。

 

欧米イベント

○15:00   9月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比7.40%)
○15:45   ロウ豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○16:00   10月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比横ばい)
○16:45   10月仏消費者信頼感指数(予想:104)
○18:30   9月英消費者信用残高(予想:9億ポンド)
○18:30   9月英マネーサプライM4
○22:00   8月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比2.1%)
○23:00   10月米消費者信頼感指数(予想:128.0)
○23:00   9月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.9%/前年比3.6%)
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○トルコ(共和国宣言記念日)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/10/28/15:11:03

日経平均株価:重要イベントを控えて小動きの展開

前週末の米国株高や為替の円安基調を好感し、朝方から買いが先行した。高値では利益確定売りなどが上値を抑えたが、周囲に売り材料が見当たらないことから、前場引けには小じっかりとなった。ただ、企業の決算発表の本格化を控え29-30日に米FOMC、30-31日には日銀政策決定会合等重要イベント前に持ち高を一方向に傾けにくく、結局、前週末比67円高の2万2867円と6日続伸で大引け。

 

東京外国為替市場:108.75円で終日こう着相場

ドル/円は、日経平均株価や米長期金利をにらみながら、108.75円を挟んでもみ合いとなった。月末接近で仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。今週予定されている。米FOMCや米雇用統計などのイベントを控え、様子見気分も強かった。午後に入っても、108.75円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。シンガポール市場が休場で、買いが税の流動性が低下しているため、積極的な売り買いは手控えられた。ユーロ/ドルは、1.10ドル台後半で小動きな値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英国のEU離脱期限日を控えても離脱の不透明感が払しょくされない

EUと新たな離脱協定案で合意に達したジョンソン首相は19日の英議会での離脱案可決を目指したが、同日の議会では離脱協定案の実施に必要な全ての関連法が議会で成立するまで協定案の承認を遅らせるという修正案が可決され、首相のEU離脱計画に大きな狂いが生じた。また、22日の議会ではジョンソン首相の離脱協定案を実施する法案を可決したものの、10月31日のEU離脱期限を守るための措置として同法案を3日以内に議会を通過させることを求めた首相の動議を否決した。これで同首相が目指す10月末までの離脱はほぼ不可能になった。ジョンソン首相はEUが離脱延期を認めれば、クリスマスまでに総選挙を実施する考えを示した。『合意なき離脱』を避けたいEUは期日延期を認める方向だ。総選挙になると政治リスクも強まる。ジョンソン首相が就任した時は、保守党の支持率が回復気味だったが、最近は伸び悩んでいる。政治の不透明感が離脱問題の不確実性を高めそうだ。

 

南アフリカにとって非常に重要な週

経済指標では29日に7-9月期の失業率が発表される。南アの失業率は上昇基調で、4-6月期には29%にまで達している。失業率の増加で犯罪率も高まっていることで、ラマポーザ政権にとっては今後の政争にも関わる。31日には9月貿易収支とPPIも発表される。政治的なイベントとして、30日に中期財政計画の発表がある。ここで補正予算、多額債務を抱える国営電力会社エスコムをはじめとした、複数の国営企業改革案も発表される。市場は、エスコムに対してこれまで以上に資金が注入されると予想している。内容次第では11月1日の格付け会社ムーディーズによる南ア債格付け見直しにも影響を及ぼすことになりそうだ。市場では格付けは据え置き予想になっている。ムーディーズは3大格付け会社で唯一、格付けをジャンク級扱いにしていないが、もし格下げを行った場合はZARに大きな影響がありそうだ。

 

米ミシガン大学消費者信頼感指数確報値が予想外に下方修正

米国の10月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値は95.5と、速報値96から予想外に下方修正された。9月の93.2からは上昇し7月来で最高となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)がインフレ期待指数として注視している同指数の1年期待インフレ率確報値は2.5%と、速報値から変わらず。4月来で最低。5-10年期待インフレ率確報値は2.3%と、速報値2.2%から上方修正された。9月2.4%からは低下し、6月来で最低となった。

 

日米金融政策会合と米7-9月GDPに注目

29-30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、『適切な行動』としてのフェデラル・ファンド(FF)金利の第3次予防的利下げ(▲0.25%:1.50-1.75%)が予想されている。注目点は、12月FOMCでの第4次予防的利下げの可能性が示唆されるか否かとなる。30-31日の日銀金融政策決定会合では、フォワード・ガイダンスの変更や追加緩和への言及、『経済・物価情勢の展望(展望リポート)』での物価見通しの下方修正の可能性に要注目となる。30日発表の米7-9月期国内総生産(GDP)速報値は前年比+1.6%と予想されており、4-6月期GDPの前年比+2.0%からの減速が見込まれている。予想を下回るネガティブ・サプライズならば、12月FOMCでの追加緩和策の可能性が高まることで、ドル売り要因となる。

 

欧米イベント

○16:00   9月独輸入物価指数(予想:前月比0.2%/前年比▲2.9%)
○18:00   9月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比5.7%)
○24:00   ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○29日02:00   テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○欧州は27日から冬時間に移行済み
○ニュージーランド(労働者の日)、シンガポール(ディーパバリの振替)、休場
○英議会、12月12日の解散総選挙実施の動議採決

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/10/25/15:11:15

日経平均株価:週末で上値の重い展開でも5連騰

前日の米国株式市場で好決算銘柄が買われたほか、インテルの決算が良好だったことが好感され、半導体関連株が活況となっている。前日までの強い基調を引き継ぎ、インテル効果も手伝い、日経平均は一時2万2800円台に乗せたものの、週末であることや高値警戒感から伸び悩んだ。週末とあって利益確定売りが出やすく、積極的な上値追いは限られた。結局、前日比49円高の2万2799円と5連騰で終了した。

 

東京外国為替市場:108.65円前後で終日もみ合う展開

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ、108.70円付近までじり高となった。しかし、前日の海外市場で108.75円が上値の目処として意識され、上げは一服した。その後は、日経平均株価の伸び悩みや米長期金利の低下を眺めたドル売り・円買いが入り108.65円を挟んでもみ合う展開となった。午後も、日経平均株価や上海総合化bか指数の動向をにらみながら、108.65円前後で取引された。ユーロ/ドルは1.1105ドルを挟んで方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

来週に日銀金融政策決定会合では追加緩和自重:ゴールドマン・サックス証券

日銀が30~31日に日銀金融政策決定会合を開催する。ゴールドマン・サックス証券は25日付のリポートで、今回の会合について『マイナス金利深堀は自重と予想』との見解を示した。その中で、『最も重要なのは為替市場の反応だ。現時点の水準から急激な円高化が生じないとの前提で、日銀10月会合プレビューを行う』としながら、『マイナス金利深堀りのコスト・ベネフィットを慎重に勘案した結果が大きく何度も繰り返せないマイナス金利深堀りを、この局面で急いで実施する意味は薄いと思われる』と指摘した。その上で『9月会合の金融政策ステートメントにおいて、経済・物価動向の再点検を行うと明記した本会合で、全く無策であることを避けるために、日銀はフォワード・ガイダンスに何らかの調整を加えると予想する』とし「具体的には、『少なくとも2020年春頃まで』としている超低金利継続の時間軸を『少なくとも2020年末頃まで』へと延長することを標準シナリオとしている」としていた。

 

欧州市場では独10月IFO企業景況感指数が公表

9月実績は94.6となった。10月については、前月のマークイット製造業、サービス業PMIは前月比で特に改善されていない可能性があるため、10月の数字は9月実績と同水準にとどまる見込みとなっている。

 

ECB定例理事会では緩和政策を維持

欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で政策金利を据え置いた。また前回9月の決定通り、11月から月200億ユーロのペースで資産買い入れを再開し、『必要な限り』継続することを確認した。ドラギ総裁の理事会後の記者会見では、 労働市場のひっ迫に伴い労働コスト圧力は上昇したものの、成長の勢いが弱まっているため物価への波及が遅れている。前回9月の理事会以降に入手したデータは、ユーロ圏成長の長引く脆弱性や顕著で根強い下振れリスク、抑制された物価圧力といった以前から見られる兆候を裏付けている。前回の理事会で決定した包括金融緩和政策は多大な刺激効果をもたらし、企業や家計の借り入れ状況は一段と緩和されるだろう。理事会は物価を目標水準に確実に押し上げるため、必要に応じて引き続きあらゆる政策手段を調整する用意がある。中期的に基調的なインフレ圧力、および総合インフレの展開を支援するために、理事会は長期間にわたる極めて緩和的な金融政策スタンスの必要性を強調した。

 

 

米国の製造業が低迷し設備投資を手控え方向

米商務省が発表した9月耐久財受注速報値は前月比▲1.1%と、8月の+0.3%からマイナスに落ち込んだ。5月来で最低となり前年比では▲4%となった。また、企業の設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注は前月比▲0.5%と、8月▲0.6%に続き2カ月連続のマイナスとなった。前年比では▲1.8%と、2016年のトランプ大統領就任以来で最低の伸びを記録した。トランプ政権の貿易方針の不透明性から製造業が悪化、企業が設備投資を大幅に控えている方針が明確化した。
国内総生産(GDP)の算出に使用される航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の出荷・速報値も前月比▲0.7%と、8月横ばいから予想以上に悪化したため、7-9月期のGDPの成長を抑制する可能性が示唆された。

 

欧米イベント

○15:00   11月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:9.8)
○15:45   9月仏卸売物価指数(PPI)
○17:00   10月独Ifo企業景況感指数(予想:94.5)
○19:30   ロシア中銀、政策金利発表(予想:6.75%に引き下げ)
○23:00   10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:96.0)
○23:30   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○26日03:00   9月米月次財政収支(予想:830億ドルの黒字)
○27日 欧州が冬時間に移行

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/10/24/15:11:27

日経平均株価:企業業績の回復期待が支え

前日の米国株高や為替の円安基調を好感して朝方から買いが先行した。その後は、次の材料待ちながら高値圏でもみあいが続いた。市場からは企業業績の回復期待が支えになっているとの指摘も出ている。4日連続で年初来高値を更新し、2018年10月17日以来の高値を付けた。結局、前日比125円高の2万2750円で終了した。

 

東京外国為替市場:108.60円前後で全般こう着相場

ドル/円は、ブレグジットや米中通商協議の行方を見極めたいとのムードが広がり、108.60円台を中心とした狭いレンジで取引された。日経平均株価の上げ幅は100円を超えたものの、上海総合株価が軟調だったため、リスク選好の円売りは目立たなかった。午後は、日経平均株価が上げ幅を縮小したことでドル売り・円買いが入り、108.57円程度まで下落した。しかし、今晩予定されているペンス米副大統領の対中政策に関する演説を見極めたいとの雰囲気から下押しは限られ、108.60円を挟んだもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.1135ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州市場では、ECB定例理事会が開催

9月会合で追加利下げ、量的緩和(QE)再開など大規模な緩和パッケージを決定後、ECBは今回の会合で政策を据え置く見込みとなっている。ドラギ総裁の最後の会見となる。11月会合から、前IMF専務理事のラガルド氏が後任として就任する。ラガルド氏はすでに、成長や物価安定を目指し、緩和策の維持を支持するハト派姿勢を示しており、ドラギ総裁の緩和政策を継承すると見られる。同時に、政治色が強い同氏が域内景気底入れを目指し各国政府に財政支援を強く働きかけるとの見解も少なくない。域内経済は関税の影響や世界経済の悪化で製造業が特に低迷している。市場はECBが当面政策を据え置くことが正当化されると見ている。理由として、①9月に実施した大規模緩和で委員の見解が大きく分かれたこと、②総裁の交代、③9月の政策が景気や物価に与える影響を確認する必要があること、④最近の景気見通しが冴えないことが背景となる。

 

英国がEUから合意ある離脱してもいばらの道

今月末の離脱実現を目指すジョンソン首相は、離脱に必要な関連法案を提出、第二読会の採決で法案の大枠が支持された一方、3日で下院審議を終える審議日程の採決が否決された。これにより新たな合意案に基づきEUを離脱する可能性が高くなったが、月内の法案成立は難しく、離脱期限の短期延長が必要になる。離脱確定後の英国は、僅か一年足らずでEUなどと自由貿易協定を結ぶことを目指す。これに失敗すれば、合意なき離脱時同様に通関業務が発生し、物流混乱やサプライチェーンの寸断といった事態も想定される。また、英国の基幹産業である金融をはじめサービス業を広くカバーする自由貿易協定の前例はない。合意なき離脱を回避しても、英国にはいばらの道が待ち構えている。

 

米国短期金融市場の機能不全で資金供給を増額

NY連銀は23日に、短期金融市場への資金供給を24日から増額すると発表した。国債などを担保に金融機関が短期預金を融通しあう『レポ取引』の翌日物への資金供給をこれまでの750億ドルから1200ドル億ドルにする。24日と29日に実施する2週間物も350億ドルから450億ドルに引き上げる。短期市場における資金不足が解消されず、短期金利が上昇しやすい状態が続いていることに対応する。また、レポ取引への資金供給は少なくとも2020年1月まで続ける計画となっている。さらに、FRBは11日、短期国債を月600億ドルペースで購入することも決めた。政策を総動員して短期市場の安定化を図っている。

 

トルコがシリア北部停戦『恒久化』で米制裁解除

トランプ大統領は23日、トルコがシリア北部での停戦を恒久化する方針を示したとし、同国に対する制裁を解除すると表明した。トランプ大統領は『トルコ政府が今朝、シリアでの軍事作戦を停止し、停戦を恒久化すると伝えてきた』と明らかにした。同時に『同地域における恒久という言葉には疑問の余地があることも理解している』と述べた。トルコがシリア北東部に侵攻しクルド人勢力に対する攻撃を始めたことを受け発動した対トルコ制裁については『われわれが満足できないことが起きない限り』解除するようムニューシン財務長官に命じたことを明らかにした。

 

米国市場では9月耐久財受注が公表される

8月実績は前月比+0.2%だった。軍用機・同部品の大幅増加が押し上げたが、国防関連を除くと▲0.6%となった。企業の設備投資の先行指標となる『航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注は▲0.2%だった。9月については軍用機などの受注は反動減が予想されることから、全体の受注額は減少する見込みとなっている。ただし、コア資本財の受注はやや改善し、前月比横ばいとなる可能性がある。

 

欧米イベント

○16:15   10月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:50.3)
○16:15   10月仏サービス部門PMI速報値(予想:51.6)
○16:30   10月独製造業PMI速報値(予想:42.0)
○16:30   10月独サービス部門PMI速報値(予想:52.0)
○16:30   スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:▲0.25%で据え置き)
○17:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○17:00   10月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:46.0)
○17:00   10月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:51.9)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:15.50%に引き下げ)
○20:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○21:30   ドラギECB総裁、定例記者会見
○21:30   9月米耐久財受注額(予想:前月比▲0.8%/輸送用機器を除く前月比▲0.2%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/167.5万人)
○22:45   10月米製造業PMI速報値(予想:50.7)
○22:45   10月米サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○22:45   10月米総合PMI速報値
○23:00   9月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲0.7%/70.1万件)
○25日02:00   米財務省、7年債入札
○ペンス米副大統領、対中政策について演説

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/10/23/15:17:48

日経平均株価:手掛かり材料乏しくも底堅い展開

外国為替市場で1ドル=108円台で安定していたことを支えに続伸してスタートした。しかし、手掛かり材料に乏しく、プラス圏とマイナス圏を行き来する展開となった。また、半導体関連銘柄やソフトバンクグループの下げは相場全体の上値を重くした。ただ、米中貿易協議の進展期待に加え企業4-9月期決算を期待した買いが優勢となり連日で年初来高値を更新した。結局、前営業日比76円高の2万2625円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:108円前半ではドルを買い戻す動きも見られる

ドル/円は、英国のEU離脱問題をめぐる先行き不透明感が強まり、ポンド/円の下げに連れて108.25円程度まで下落した。日経平均株価がプラス圏からマイナス圏へ転じたとや米長期金利の低下も、ドル売り・円買いを誘った。しかし、下値では値ごろ感からドル買い戻す動きが見られ、108.30円を挟んでもみ合う展開となった。午後は、日経平均株価の底堅い動きを眺め、108.40円近辺へ値を持ち直した。ただ、ブレグジットを巡る欧米市場のポンド相場を見極めたいとのムードが強く、上値を追う動きは限られた。ユーロ/ドルは、1.11ドル台前半で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢参入待ちの様相となっている。

 

英国のEU離脱はまたしても不透明

ボリスジョンソン英首相とEUが合意したEU離脱協定案の承認の時期がまたしても不透明なものになった。今月31日の離脱時期に間に合わせる必要性から、37年振りとなる土曜日開催となった英下院だったが、本採決前に承認しなければならないEU離脱に関連する諸々の案を動議するまでは良かったものの、関連法案審議にたったの3日間しか費やさないことに対して、英下院がストップをかける結果となった。そのため、再び先行き不透明感が台頭する結果となった。そもそも『3日間で採決すること自体、やっつけ仕事もいいところで無理があった』とのもっともな声も聞こえてくるが、それ以上に『そんなことはわかった上での審議』だったわけで、この期に及んで正当論を引き合いに出している時点で、『空気の読めないオールドファッション』の議会である様子がわかる。昨日もFTが報じているように、『英政府は10日間程度の短期間の延長は問題視しない』姿勢のようだが、これが来年まで引き延ばされてしまうようであれば、『離脱案自身の審議を取り下げて、解散総選挙に打って出る』可能性が出てくる。または、EU側が『離脱期限を11月末や来年1月末までに設定するなどして、ある程度柔軟に対応する準備がある』ことも伝えられおり、審議を尽くしてからの離脱へと進むことも選択肢の一つに入ってきている。いずれにしても、今週中にもその方向性は見てくる可能性が高い。

 

JPモルガンの最新レポートでは元高・ドル安方向に修正

JPモルガンは最新リポートで、米国が中国に求める広範な貿易協定は、構造問題に対する両国の主張の隔たりが大きいため実現は不透明との見方を示した。JPモルガンは、米中が『第1段階の合意』に達し、11月16日にチリで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にあわせて両国首脳が合意文に署名する見込みとなったことから、人民元相場が7.05元へ反発しても意外ではないとみている。米国が10月中旬に予定していた対中制裁関税の引き上げを棚上げしたことを受け、JPモルガンは今年末時点の人民元相場予想を従来の1米ドル=7.35元から7.05元へ、元高・ドル安方向に修正した。

 

米FRBは利下げとステルスQE(量的緩和)でリスク回避を抑制

FRBは11日、短期金融市場での金利上昇を抑えるため、15日から米短期国債を毎月600億ドル(約6.5兆円)規模で購入すると発表した。少なくとも来年4-6月期まで継続する方針とされる。同時にFRBについては、10月末を含めた政策金利FF(短期金利)の利下げ継続観測がくすぶっている。一方で短期金利の押し下げや利下げ期待は、先行きの米国経済の回復期待となり、米中貿易対立の小康もあって、長期債金利は急低下に歯止めが掛かってきた。結果、米国の長短金利差は僅かながらも、長期債優位の拡大方向へと転じている。米国での長短金利差縮小一服は、①先行きの米景気後退不安の緩和、②利ざや拡大による米金融機関の収益支援、③こうした要因によるリスク回避の抑制などを通じて、ドル高・円安の支援材料となりやすい。

 

ウォーレン大統領誕生なら石油業界に大打撃

市場を大きく動かす数多くのツイートの中でも、2020年の米大統領選で民主党の指名を争うエリザベス・ウォーレン上院議員のツイートは、とりわけ石油業界を震撼させている。ウォーレン氏は9月6日、ツイッターへの投稿で『大統領に当選すれば初日に、沖合および公用地における石油掘削向けの新規化石燃料リース契約を完全凍結する大統領令に署名する』と表明した。さらに『フラッキング(水圧破砕)を全面的に禁止する』とした。 フラッキング技術を違法にするには、法制化が必要になる見込み。

 

米シェールオイル生産の増加幅下方修正:ゴールドマン・サックス

ゴールドマン・サックスは、2020年の米シェールオイル生産の増加幅に関する予想を下方修正した。また、20年の世界の石油需要の伸びについても、予想を小幅に引き下げた。ゴールドマンは今回、米シェール生産が20年は日量70万バレル増加すると予想し、従来予想の日量100万バレル増から引き下げた。19年は日量110万バレル増の見通し。20年の世界の石油需要の増加幅に関する予想は、これまでの日量140万バレルから日量130万バレルに引き下げた。

 

欧米イベント

○15:45   10月仏企業景況感指数(予想:106)
○17:00   9月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比4.2%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:30   8月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.3%)
○22:00   8月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○23:00   10月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲6.7)
○23:30   EIA週間在庫統計
○24日02:00   米財務省、5年債入札

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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