FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2021/07/28/15:11:28

日経平均株価:米国株に連れた売りや中国株さえず売り優勢

米国株式市場で6営業日ぶりに反落したことを受けて安く始まった後も、安値圏でのもみ合いが続いた。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒感もくすぶった。割安感も意識され、押し目買いを支えに持ち直す動きもみられたが、200日移動平均線が抵抗線として意識され、戻りの勢いは続かなかった。朝方から小高く推移していたNYダウ先物が弱くなったほか、中国株の連日のさえない動きも警戒につながった。結局、前営業日比388円安の2万581円と4営業日ぶりに下落した。信用評価損率は21日申し込み時点でマイナス9.65%と、前週のマイナス8.15%からマイナス幅が1.5ポイント悪化した。悪化は2週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:109円台後半でもみ合い相場

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などからドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、109.91円付近まで上昇した。しかし、前日に米長期金利が低下したこともあり、追随する動きは見られなかった。その後は、日経平均株価の反落や中国株安を眺めたドル売り・円買いに109.80円付近へ押し戻された。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、109.80円前後でもみ合いとなった。米FOMC結果発表を控えて様子見ムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.18ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコ中銀のインフレレポートに注目

トルコ中銀が29日発表予定の四半期インフレレポートに対する思惑で、リラが上下に振らされる可能性もある。4月末の前回レポートでは、年末のインフレ見通しを9.4%から12.2%に上方修正した。高止まりする物価動向に対する中銀の見解が今回もポイントとなる。

 

IMFが南アの成長見通しを上方修正

昨日、国際通貨基金(IMF)は、2021年の南アの成長見通しを3.1%から4%に上方修正した。これは南アにとっては良いニュースだが、南ア準備銀行(SARB)の予想よりも下回ったままである。また暴動の影響などが加味されているかは不透明となっている。

 

米国株を2週ぶりに買い越しで5ヵ月ぶりに高水準:BofAセキュリティーズ

27日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は19~23日の1週間に米国株を28億500万ドル買い越した。2週ぶりに大幅買い越しに転じたことになる。この週は決算シーズンが本格化する中、23日にアメリカン・エキスプレスが市場予想を上回る好決算を発表したことで個人消費の回復が期待され、S&P500指数が週間で1.95%高となって2週ぶりに上げて史上最高値を更新した時だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が6億2900万ドルの買い越しで2週ぶりの買い越しとなった。機関投資家は4億3700万ドルの売り越しで、3週連続の売り越しだった。個人投資家は7億1100万ドルの買い越しで、3週連続の買い越しとなった。企業の自社株買いは19億4700万ドルで、2週連続で10億ドルは上回って活況さった。傾向としては機関投資家以外の主体が買い越しとなり、全体の流入額が約5ヵ月ぶりの高水準に膨らんだ。

 

米5月S&P20都市住宅価格指数は17年ぶり最大の伸び

米5月S&PコアロジックCS20都市住宅価格指数は前年比+16.99%となった。伸びは4月+15.01%から予想以上に拡大し、2004年以降17年ぶり最大を記録した。同時刻に米連邦住宅金融局(FHFA)が発表した5月FHFA住宅価格指数は前月比+1.7%となった。伸びは4月+1.8%から鈍化したものの予想は上回った。

 

米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)会合:予想は現状維持

ウイルス変異株の感染流行が経済活動に与える影響などについて議論されるとの見方が増えており、一部では『量的緩和策の縮小時期は来年以降になる可能性が高い』との声も聞かれている。インフレ加速を示唆するデータは揃っていないことから、量的緩和策の縮小を巡る議論がすみやかに進展する可能性は低いとみられる。

 

欧米市場イベント

○15:00   8月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:1.0)
○15:00   6月独輸入物価指数(予想:前月比1.5%/前年比12.6%)
○15:00   7月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○15:45   7月仏消費者信頼感指数(予想:102)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:30   6月カナダCPI(予想:前月比0.4%/前年比3.2%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○29日01:00   6月ロシア失業率(予想:5.0%)
○29日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:0.00-0.25%で据え置き)
○29日03:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○米露、戦略的安定対話を開催(ジュネーブ)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2021/07/27/15:11:39

日経平均株価:上値も重く商いは盛り上がりを欠く展開

前日の米国株高を好感して始まった後、高値圏でのもみ合いに移行した。米連邦公開市場委員会(FOMC)や決算シーズンの本格化を前に、商いは盛り上がりを欠く展開となった。2万8000円近辺では利益確定売りも出やすく、上値は重かった。結局、前営業日比136円高の2万7970円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株安などを眺めリスク回避の円買い

ドル/円は、本邦輸出勢から月末に絡むドル売り・円買いが持ち込まれ、110.20円付近へじり安となった。上海総合株価指数やNYダウ先物がさえない動きとなったことも、リスク回避の円買いを誘った。午後に入っても軟調地合いが続き、110.17円付近まで下落した。ただ、前日の欧州市場でつけた安値110.13円に接近すると下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルの押し目買いが入り、110.20円台へ値を切り返した。ユーロ/ドルは1.1805ドル前後でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコのCDSは高いながらも低下傾向:リラ買い要因

信用リスクを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を見ると、トルコ5年物国債CDSは374ベーシスポイント(bp)前後と依然として水準自体はまだ高い位置にいる。しかしながら3月末には480bp台だったことを考えると、落ち着きを取り戻しつつあると言っても良く、リラの買い戻し要因とも捉えられる。ただ気を付けたいのは、トルコで新型コロナウイルス感染が再び拡大していることである。1日あたりの新規感染者数が7月前半には5000人前後で推移していたところから、先週末には1万人台に乗せ、昨日発表では1万6000人を超えた。犠牲祭で人の流れが活発化し、今後も感染の広がりが加速する可能性は否定できない。

 

南ア準備銀行は利上げには慎重姿勢:ランド弱含みの要因

先週の南ア準備銀行(SARB)・金融政策委員会(MPC)は、市場予想通り政策金利は据え置かれたが、市場が予想していたよりもMPCが利上げにはかなり慎重姿勢を見せたのがサプライズとなり、MPC後ランドは弱含んでいる。MPCの前はナイドゥSARB副総裁は金利について『現在はマイナス金利の状態で、50ベーシス利上げしてもまだマイナス金利』と発言したこと。また、5月の消費者物価指数(CPI)が30カ月ぶりとなる5%台に乗り、MPC前日の6月CPIもSARBの目標レンジ(3-6%)の中心を上回ったことで、今回のMPCで利上げはなくても、年後半の利上げはあるのではないかという声が出ていた。しかしながら、MPCの声明で南アはインフレ抑制に自信を見せただけでなく、経済の先行きにも懸念を表明し、市場はタカ派が徐々に減ってきている。

 

ビットコインでの支払い受け入れとの報道を否定:米アマゾン

米アマゾン・ドット・コムは26日、同社が年末までに暗号資産(仮想通貨)のビットコインでの支払いを受け入れることを検討しているとの報道を否定した。ロンドンのCityA・M紙は匿名の『インサイダー』の情報として、アマゾンが年末までにビットコインでの支払いを受け入れると伝えた。これを受けてビットコインは一時14.5%上昇した。その後は押し戻され、直近では6%高の3万7684.04ドル。アマゾンの広報担当者は『この分野に対する関心はあるものの、暗号通貨に関する当社の具体的な計画を巡る憶測は事実ではない』と説明した。アマゾンは7月22日、デジタル通貨とブロックチェーン製品関連の求人情報を掲載している。

 

米国では実質金利が一時過去最低のマイナス:金融資産の下支えになりやすい

米金融市場で、名目金利から予想インフレ率を引いた実質金利が過去最低を更新した。足元ではインフレ圧力が強まっている一方、名目の米国債利回りは投資家の旺盛な需要を背景に低下(価格は上昇)基調にある。物価連動国債の取引から算出される米国の10年の実質金利は26日、一時マイナス1.12%まで低下し、1月などにつけていたマイナス1.11%を初めて下回った。2~3月には景気急回復や米金融緩和の修正観測を背景にマイナス0.5%台まで上昇していた。実質金利のマイナス幅が広がれば、企業や家計のあいだで借金をしてでも設備投資や住宅を購入した方がいいという判断が増えやすくなる。運用の面でも株式や金など別の金融資産におカネが流れやすくなる面もある。

 

米国ファンドに記録的な資金流入:上半期に100兆円流入

リフィニティブ・リッパーがまとめたデータによると、世界の投資家は今年上半期に、米国のミューチュアルファンドおよび上場投資信託(ETF)に純額ベースで9000億ドル(約99兆円)余りの資金を投じた。1992年以降のデータでは最高記録であり、今年1月~6月に投資家が世界の他地域のファンドに投じた合計金額を上回っている。
この資金流入を支えにして、米国株は記録的高値に押し上げられ、欧州やアジアの主要株価指数を上回る好調ぶりを示している。

 

米企業決算発表が本格化:調整株安となるリスクには注意

米国株市場では今週から月後半にかけて決算発表が相次ぐ。全体的にはITハイテク関連企業を中心として、良好な決算内容が期待されている。ただし、すでに米国株は好決算を織り込む形で6月以降も過去最高値更新が見られてきた。その意味で決算発表の前後では、一旦の好材料出尽くしや当座の収益回復『天井ピーク』思惑、事前期待比での失望などで、調整株安となるリスクには注意を要する。同時に今後の収益見通しに関しては、変異種などの感染再増加、根強い半導体不足などの供給制約、人手不足、素原材料価格の高騰、ITハイテク企業への規制強化圧力、米中の対立激化といった悪材料について、どの程度の悪影響が示されるかも注視される。

 

米国市場では7月CB消費者信頼感指数が公表:市場予想:124.5

6月実績は127.3と市場予想を上回り、2020年2月以来の高い水準となった。7月についても消費者の短期的な楽観傾向は変わっていないとみられるが、インフレ進行や新型コロナウイルス変異株の感染流行が懸念されており、信頼感指数は6月実績をやや下回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:30   黒田東彦日銀総裁、講演(日本記者クラブ)
○17:00   6月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比8.2%)
○20:00   6月メキシコ貿易収支(予想:17.00億ドルの黒字)
○21:30   6月米耐久財受注額(予想:前月比2.1%/輸送用機器を除く前月比0.8%)
○22:00   5月米住宅価格指数(予想:前月比1.6%)
○22:00   5月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比16.4%)
○23:00   7月米消費者信頼感指数(予想:123.9)
○23:00   7月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:20)
○23:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○28日02:00   米財務省、5年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2021/07/26/15:09:58

日経平均株価:4連休中の米国株高を好感した買い優勢

日経平均株価は、4連休中の米国株式市場が堅調に推移したことが好感され、主力銘柄を中心に幅広く物色された。4営業日ぶりに一時2万8000円台を回復した。しかし、これから本格化する企業の決算発表を見極めたいとのムードもあり、買い一巡後は伸び悩んだ。中国・上海や香港の株式市場の大幅下落が重荷となった。結局、前営業日比285円高の2万7833円で終了した。7月第2週(12日~16日)の海外投資家(外国人)は1101億円の買い越しとなった。買い越しは2週連続となった。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下とNYダウ先物下落からやや円買い優勢

ドル/円は、米長期金利低下やNYダウ先物の下落を眺めてドル売り・円買いに押される展開となり、110.30円付近へ下落した。月末接近に伴う本邦輸出勢によるドル売り・円買いも観測された。午後は手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たず、110.30円前後で小動きが続いた。27-28日に開催される米FOMCを前に、様子見を決め込む市場参加者も多かった。ユーロ/ドルは、1.17ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

前週のECB理事会ではハト派姿勢を表明

欧州中央銀行(ECB)は前週実施した定例理事会で、市場の予想通り政策金利を据え置きを決定した。そして、指針を変更した。新指針で、物価実績が中期的2%で安定するまで金利は現状またはそれ以下の水準で、行動のかなり前にインフレ見通しが2%に達している必要があると指摘した。また、物価目標からの一時的な上振れを容認する。新指針のもと超緩和策を維持することが可能になった。ラガルド総裁は、インフレが今後上昇するものの一過性の要因によるものであり来年は再び低下すると見ている。さらに、回復軌道にあるものの先行きは不透明感が強く、コロナ流行状況とワクチン接種の進展次第とした。時期尚早の利上げを回避し、市場の緩和縮小開始の思惑を弱めることに努め、ハト派姿勢を表明した。そのため、当面ユーロの上昇も限定的となりやすい。

 

トルコと欧米との関係が不安定さを増しつつある

トルコと欧米との関係が不安定さを増しつつあることは、リラを買い難くさせる要因になっている。世界でトルコのみが承認する『北キプロス・トルコ共和国』について、エルドアン大統領は先週、北キプロス分離独立の支持を表明した。キプロス島南側のキプロス共和国が加盟する欧州連合(EU)だけではなく、米国からもトルコの方針に懸念が示されている。トルコがロシアから追加で兵器購入を検討しているとの一部報道は、米国側を神経質にしている。米外交官の話として、トルコの行動次第では更なる対トルコ制裁を米国側は考えているようである。

 

南アランドの買い材料減少

6月CPIは南ア準備銀行(SARB)の目標とする3-6%の中心値を2カ月連続で上回る結果となった。しかしながら、翌日のSARB金融政策委員会(MPC)では全会一致で政策金利を据え置いただけでなく、インフレ抑制にも自信を示した。当面は現行水準の政策金利が継続される可能性が高まったことから、ランドの買い材料がひとつ減った。また、それ以外にも干ばつ、ウイルス感染拡大、電力不安など多くの問題を抱えている。南アのポジティブ要素が少なくなっている。大手投資会社が南アをはじめとする新興国への投資比率を見直している最中、暴動の激化など治安不安が露呈した。目先、南アからの資金流出の勢いが止まらない可能性もある。

 

メキシコの4-6月期GDP速報値が注目

先週に発表された7月前半の消費者物価指数(CPI)は前年比で5.75%の上昇となり、市場予想の5.65%を上回る結果となった。6月後半の5.74%上昇からインフレ鈍化の傾向は見られず、市場では8月の次回会合で追加利上げ(4.25%から4.50%へ)が実施されるとの思惑も高まりつつある。今週は30日の4-6月期メキシコGDP速報値が注目されている。他の中南米諸国と比較してコロナ後の景気回復が進んでいるとされるメキシコだが、今週のGDPでしっかりとした回復軌道に乗っていることが確認されれば、前述したインフレ懸念と合わせて中銀の追加利上げ期待もさらに高まることになる。市場の視線が各国の金融政策に向けられていることもあり、メキシコペソにとっては中長期的な支援材料となりやすい。

 

米上院民主党で「インフラ投資法案」の審議開始に向けた動議の再採決

26日には米上院でバイデン米大統領が超党派と合意した1兆2000億ドル規模の『インフラ投資法案』の審議開始に向けた動議の採決が予定されている。21日の採決では、上院民主党トップのシューマー院内総務が将来において投票を再考できる上院の規定を指摘して、賛成から反対に回ったことで、賛成49、反対51で否決された。共和党は、財源問題が解消されていないことから、審議入りに向けた採決の延期を求めているものの、民主党は26日に再び採決を行う意向を示している。

 

27-28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文に注目

タカ派的なシナリオとしては、声明文で正式にテーパリングの協議が表明され、8月26-28日のジャクソンホール会合でパウエルFRB議長が9月のFOMCでのテーパリング開始を発表する、というシナリオとなる。ハト派的なシナリオとしては、7月のFOMC声明文でも6月の同様にテーパリングへの言及がない場合だろう。市場のテーパリングに対する期待感は強く、それだけにハト派的なシナリオとなった場合の反応は大きくなる可能性が高い。

 

米政府は今月末で連邦債務上限の適用停止措置の期限

米政府では31日に連邦債務上限の適用停止措置が期限切れとなることから、今月中の上限引き上げが求められている。イエレン米財務長官は、連邦政府の債務上限を早急に引き上げるか上限適用を停止するよう議会に要請するとともに、このままでは8月中にも米国が債務不履行(デフォルト)に陥る深刻なリスクがあると警告している。引き続きこれらの動向にも注意が必要となる。

 

欧米市場イベント

○17:00   7月独Ifo企業景況感指数(予想:102.1)
○20:00   6月メキシコ失業率(季節調整前、予想:4.48%)
○20:00   ブリハ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○23:00   6月米新築住宅販売件数(予想:前月比4.0%/80.0万件)
○27日02:00   米財務省、2年債入札

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2021/07/21/15:11:18

日経平均株価:朝高のあと徐々に伸び悩む展開

前日の米国株式市場の上昇を好感して、寄り付きから300円を超えてしっかりとなったものの、4連休を控えて次第に模様眺めとなり、徐々に伸び悩む展開になった。結局、前営業日比159円高の2万7548円と6日ぶりに反発して終了した。信用評価損率は16日申し込み時点でマイナス8.15%と、前の週のマイナス8.48%からマイナス幅が0.33ポイント縮小した。改善は2週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:手掛かり材料難から109円台後半でもみ合い相場

ドル/円は、本邦輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ、109.98円付近まで上昇した。ただ、心理的節目の110.00円に接近すると上げは一服した。その後は、日経平均株価の上げ幅縮小を眺めたドル売り・円買いが入り、109.85円付近へ下落した。午後は、手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たず、109.90円を挟んで方向感に乏しい値動きが続いた。4連休を控えていることもあり、様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.17ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

22日には欧州中央銀行(ECB)理事会が開催

予想は、金融政策の現状維持とみられている。ECBは2%のインフレ率を設定し、一時的なオーバーシュートを容認している。ECBは現行の金融緩和策を長期間維持する可能性が高いとみられており、ラガルド総裁の会見では金融緩和策の早期縮小について否定的な見解が提示される見込みである。

 

23日欧州市場では7月マークイットユーロ圏製造業PMIが公表

市場予想は62.1で、参考となる6月実績は63.4だった。製造業の景況感は6月実績を下回る見込みだが、60超の高い水準を維持する可能性が高い。経済活動の拡大によってユーロ圏の景気回復は継続していることを示唆する数字になるとみられる。

 

スペインでコロナ感染者急増

スペインで19日、先週16日以降に確認された新型コロナウイルス感染者数が6万1628人と、大幅に増加したと発表された。多くの英国人観光客が休暇にスペインを訪れ、コロナ禍で打撃を受けた観光業界に希望が見えた矢先の発表だった。業界団体によると、英国が今月8日、ワクチン接種済みの帰国者に対する10日間の隔離義務を19日から撤廃すると発表して以来、スペインへの航空便予約が4倍に増加した。スペインのビーチにはワクチン接種済みの英国人観光客が押し寄せている。しかし、スペインでは感染者が増加し、一部地域で外出禁止措置が再度導入されている事態から、ドイツとフランスは国民にスペインへの渡航自粛を勧告している。

 

トルコへロシアからの観光客が流入:感染による先行き不透明感高まる

トルコ観光業にとって最優良顧客であるロシアは、6月下旬からトルコへの渡航を解禁した。夏のバカンスシーズンに入り、地中海側の人気観光都市には多くのロシア人が訪れているとの報道も見受けられる。トルコの主要産業であり、重要な外貨獲得手段でもある観光業の回復は、経済全体にとっても希望の光にみえる。ただ、良い面ばかりでもない。一部トルコメディアは、エーゲ海沿岸に位置するトルコ第3の都市イズミルの医療関係者の話として、ロシアからの観光客流入が新型コロナウイルス感染者数の増加に繋がっている可能性を報じている。特に世界的に広がっているデルタ株の広がりが目立つ。デルタ株感染の拡大が予想されるなか、トルコ政府の科学委員会メンバーの1人は、国内の新規感染者数増を抑え込むことは難しく、8月に感染ピークを再び迎えるとの見解を示した。トルコでも他国同様に感染による今後の先行き不透明感は高まりつつあり、景気回復の腰折れ懸念がリラの重しとなる。

 

南アでは6月の消費者物価指数(CPI)が公表

欧州前半に発表される6月南ア消費者物価指数(CPI)の結果には注意しておきたい。5月CPIは前年比で2018年以来となる5.2%まで伸びが加速し、南ア準備銀行(SARB)のインフレ・ターゲット(3-6%)中心値を上回った。6月分は前回から伸びがやや鈍化したが、中心値を再び上回る4.8%程度と予想されている。明日のSARB金融政策委員会(MPC)を控え、CPIが予想より上振れした場合は利上げ期待が高まるかもしれまない。ただし、CPI上昇による利上げ期待は、本来ならばランド/円の買い要因ではあるが、今回はどの程度反応できるか判断が難しいところである。先週の南アフリカ国内での暴動を見てもわかるように、同国では失業や貧困に喘いでいる中でのインフレ上昇は、決してポジティブとは言えない。

 

今後は米住宅着工件数が減少する可能性を示唆

商務省が発表した6月住宅着工件数は前月比+6.3%の164.3万戸と、予想159.0万戸を上回った。3月来で最高となった。一方、住宅着工件数の先行指標となる6月住宅建設許可件数は前月比-5.1%の159.8万戸と、5月168.3万戸から予想外に減少。昨年10月来で最小となり、今後、住宅着工件数が減少する可能性が示唆された。

 

23日の米国市場では7月マークイットサービス業PMIが公表

参考となる6月実績は64.6だった。ワクチン接種の普及によって対面型サービス業の企業活動を拡大しており、米国経済は正常化に向かいつつあることから、7月の指数は6月実績と同水準かわずかに上回る可能性がある。

 

欧米市場のイベント

○17:00   6月南アフリカCPI(予想:前月比0.2%/前年比4.8%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○23:30   EIA週間在庫統計
○22日02:00   米財務省、20年債入札
○インド(イスラム教犠牲祭)、トルコ(犠牲祭)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/07/20/15:11:48

日経平均株価:米国株安に連れた売り優勢

米国株式市場では、主要3指数が大幅続落して終了した。新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染拡大で新たなロックダウンが実施され、景気回復がとん挫するとの懸念から広い業種に売りが出た。これを受けて日経平均株価も大幅安でスタートとして。ただ、下値も目処として意識されていた5月安値を割り込んだ後は、突っ込み警戒感も生じ、買い戻しが活発化したとの声も出ていた。さらに、日経平均のPER13倍台の日本株は割安感が強いことから、景気敏感株などに実需買いが流入したが、買いの勢いは続かなった。結局、前営業日比264円安の2万7388円と5日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:109円台半ばでのもみ合い相場

ドル/円は、日経平均株価やアジア主要株価を睨みながら、109.50円台を中心とした狭いレンジで取引された。本日は五・十日にあたり、仲値にかけて本邦実需の動向が注目されたが、需給に大大きな偏りは見られなかった。午後に入り、米長期金利が小幅に低下すると、持ち高調整などのドル売り・円買いに押されて109.38円付近まで下落した。日経平均株価の下げ幅拡大もリスク回避の円買いを誘った。ただ、今晩の米国株価動向や米住宅関連指標を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、値ごろ感からドル買いを戻す動きも見られ、109.50円近辺へ値を持ち直した。ユーロ/ドルは、ユーロ/円の下げに連れ安となり、1.1780ドル付近までユーロ売り・ドル買いが進んだ。

 

トルコ株式市場は本日から23日まで休場

イスラム教の二大祭礼の一つ『イード・アル・アドハー(いわゆる犠牲祭)』の期間に入り、イスタンブール株式市場も本日から23日まで休場となる。トルコ勢がほぼ不在のなかで、リラ/円は昨日同様にリスクセンチメントの強弱に振らされる展開になりやすい。世界的に新型コロナウイルス感染が再拡大しているが、トルコでも一日あたりの新規感染者数は7000人台と感染ペースが上昇しつつある。ただしコロナワクチンの接種回数では、接種合計回数6354万回は世界全体で8番目に多い数である。犠牲祭で祭り気分が高まるなかで人々の移動も増加することが予想され、トルコでもコロナ変異種の広がりが懸念されます。今後もし感染状況が悪化ともなれば、せっかく回復の兆しをみせてきたトルコ観光業の足かせになる。

 

増産を主張したUAEへの譲歩で最終合意

足下の世界経済は、主要国で新型コロナウイルスの感染収束やワクチン接種により景気回復が進む一方、新興国などで感染再拡大を受けた行動制限の再強化など景気に冷や水を浴びせる動きもみられ、好悪の材料が混在する。国際原油価格は様々な思惑が影響して不安定な動きが続いた。協議は難航が予想されたが、8月から年末まで毎月日量40万バレルずつ段階的な減産縮小、協調減産の来年末までの延長で合意する一方、来年5月以降の事実上の増産容認により来年9月頃の協調減産終了を目指すなど増産を主張したアラブ首長国連邦(UAE)への譲歩により最終合意に至った。当面の原油価格は世界経済の回復が進む一方、協調減産は小幅縮小に留まるなど堅調な推移が見込まれ、新型コロナ禍からの回復が進む世界経済への影響に要注意と言える。

 

南アが国内の暴動で国際的な信頼性を失う:ランドの上値を圧迫

先週拡大した南アフリカ国内の暴動は一旦落ち着きましたが、現地では食料、医療品などを含めた物資不足がいまだに解決されていない。ズマ前大統領の支持者がトラックを燃やすなどで高速道路を封鎖したことにより、サプライチェーンが困難に直面している。南アフリカ貨物輸送業者協会(SAAFF)は政府に対応を迫っているが、解決までは時間がある程度かかる。懸念されるのは、今回のこの暴動で南アが国際的な信頼性を失っている。今後、南アからの資金離れに繋がる可能性もあり、もしそうなればランドの上値を圧迫することになる。なお明日以降、21日に6月南ア消費者物価指数(CPI)、22日には南ア準備銀行(SARB)金融政策委員会(MPC)が開かれるので、週後半のランドはより振幅が激しくなる可能性がある。

 

米国株を2週ぶりに売り越し:B of Aセキュリティーズ

20日付けの顧客フローのリポートによると、同社の顧客は12~16日の1週間に米国株を5億1600万ドル売り越した。2週ぶりに売り越しに転じたことになる。この週は米長期金利の低下基調が強まってリスク回避の展開となったことを受け、S&P500指数が週間で0.97%安となって4週ぶりにに下げて終えた時だった。主体別動向では、ヘッジファンド(HF)が10億3800万ドルの売り越しで、2週ぶりの売り越し。機関投資家は16億8400万ドルの売り越しで、2週連続の売り越しだった。個人投資家は6億8700万ドルの買い越しで、2週連続の買い越し。企業の自社株買いは15億1900万ドルで、4週ぶりに10億ドルを上回った。傾向としてはHFや機関投資家の大幅売り越しが響いた一方、決算シーズンが始まる中で自社株買いが下支えとなった。

 

NAHB住宅市場指数は11ヵ月ぶり低水準:買い手が様子見の姿勢

全米住宅産業協会(NAHB)が発表したNAHB住宅市場指数の最新7月分は80と、予想外に6月81から低下し11カ月ぶり低水準となった。ただ、前年同月の72からは上昇した。需要は引き続き強いが、建築材や人件費の上昇が建設業者の信頼感の低下につながった。昨年の11月に過去最高を記録したのちは、低下傾向にある。拡大と縮小の境目である50は2014年7月以降7年間継続して上回っている。住宅価格の高騰で、買い手が様子見の姿勢に転じた。購買見込み客足指数は65で、今年初めて70を下回った。

 

米企業の決算発表:好材料出尽くしや失望などに警戒

米国株市場では今週から月後半にかけて決算発表が相次ぐ。全体的には良好な決算内容が期待されているものの、すでに米国株は好決算を織り込む形で6月以降も過去最高値更新が見られてきた。その意味で決算発表の前後では、一旦の好材料出尽くしや当座の収益回復『天井ピーク』思惑、事前期待比での失望などで、調整株安となるリスクには注意を要する。同時に今後の収益見通しに関しては、変異種などの感染再増加、根強い半導体不足などの供給制約、人手不足、素原材料価格の高騰、ITハイテク企業への規制強化圧力、米中の対立激化といった悪材料について、どの程度の悪影響が示されるかも注視される。

 

欧米市場イベント

○15:00   6月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比1.1%)
○16:30   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○17:00   5月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○21:30   6月米住宅着工件数(予想:159.0万件、前月比1.2%)
         建設許可件数(予想:170.0万件、前月比1.0%)
○シンガポール(ハリラヤハジ)、トルコ(犠牲祭)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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