FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:寄り付き前の新型コロナウイルス感染者報道でリスク回避

前日の米国株式市場は最高値を更新し、為替のドル/円も110円台を付け、朝方から好材料がそろったものの、寄り付き前に中国で新型コロナウイルスによる肺炎の死者と感染者急増が発表され、楽観ムードが後退した。結局、前日比33円安の2万3827円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:感染者急増報道受けリスク回避の円買い

ドル/円は、中国湖北省で新型コロナウイルスの感染者が急増し、死者も242人増えたことが判明した。この報道を受けて、ドル/円はリスク回避の円買いが強まり、110円台を割り込んで109.80円付近まで下落した。しかし、本邦輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価がマイナス圏からプラス圏へ転じたことに支えられ、110.00円付近まで値を切り返した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数のさえない動きを眺めたドル売り・円買いが入り、109.80円台へ軟化した。米長期金利が小幅低下したことも、ドルの押し下げにつながった。ユーロ/ドルは、最近発表されたユーロ圏の指標が低調で、欧州の景気先行きを警戒したユーロ売り・ドル買いが優勢となり、1.08ドル台後半の安値圏で推移した。

 

香港指数はアンダーウエート:モルガン・スタンレーリポート

モルガン・スタンレーは最新リポートで、新型肺炎の蔓延がすでにここ10年の低水準まで落ち込んだ香港経済にさらなる下押し圧力をかけるとの見方を示した。観光業や貿易、現地消費が深刻な影響を受け、2-3月に感染がピークを迎えた場合、1-3月期の香港域内総生産(GDP)は1-2ポイント押し下げられると試算している。影響が長引いた場合や、中国本土の生産回復に時間を要した場合、押し下げ幅は2-4ポイントに拡大するとした。『AAストックス』が12日伝えた。 モルガン・スタンレーは、香港の小売事業者が大きな影響を受けている一方、物件新規投入の減少や低い住宅ローン金利を背景に住宅価格はおおむね横ばいしていると指摘した。銀行に関しては、融資コストの上昇や競争激化を受けてリテール銀行業務の経常収益が低迷するとみて、慎重な見方を示した。『MCI』香港指数については『アンダーウエート』とした。

 

中国政府はインフラ整備と内需掘り起しで景気減速を和らげる狙い

中国財政部が前倒しで割り当てた2020年の新規地方政府債限度額が計1兆8480億元に達したことが分かった。
 中国経済紙『証券時報』は12日、財政部が先ごろ8480億元を前倒しで割り当てたと伝えた。内訳は一般債が5580億元、専項債(インフラ建設が目的の特別債券)が2900億元。昨年11月に専項債1兆元分が前倒しで割り当てられている。
 光大証券主任債券アナリストの超旭氏は、地方政府に今年の債券発行枠を前倒しで割り当てることで有効投資につなげ、新型肺炎が2020年1-3月期の中国経済に及ぼす影響をインフラ整備と内需掘り起こしにより和らげる狙いとの見方を示した。

 

ドイツの政局不安からユーロの上値が重い展開

来年秋の連邦議会選挙後の続投を否定しているメルケル首相の後継者候補と目されてきた与党・キリスト教民主同盟のクランプ=カレンバウアー党首が辞任することを発表した。これまでも度々資質を疑問視する声が浮上していたが、チューリンゲン州首相選出を巡る対応が最終的な引き金となった。
年央までに後継党首選を行い、前回党首の座を競った党内右派のメルツ元院内総務やシュパーン保険相、ラシェット・ノルトライン=ヴェストファーレン州首相が有力候補と目されている。
メルケル路線を踏襲するラシェット氏以外の候補が後継党首に選出された場合、中道左派の社会民主党との大連立解消に加えて、連邦議会選挙後の緑の党との連立の行方が危ぶまれる。ドイツの政治安定とポスト・メルケルの行方に不透明感が増している。

 

米国市場では1月消費者物価コア指数が公表

12月実績は前年比+2.3%で市場予想と一致した。住居費の上昇が寄与した。1月については、引き続き住居費のコストが上昇しているが、一部項目の上昇率は鈍化すると見られており、コアの物価上昇率は12月実績をやや下回る可能性がある。

 

欧米イベント

○16:00   1月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.6%/前年比1.7%)
○16:00   12月トルコ鉱工業生産(予想:前月比0.3%)
○17:30   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○21:00   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○22:30   1月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比2.4%)
         エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.2%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.0万件/174.5万人)
○24:00   シェルトン、ウォラー両氏の連邦準備制度理事会(FRB)理事指名承認公聴会
○14日02:00   パネッタECB専務理事、講演
○14日02:45   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○14日03:00   米財務省、30年債入札
○14日04:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:7.00%に引き下げ)

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