FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:アジア主要株価指数の堅調を受けて持ち直す展開

朝安で始まった後、企業決算に対する期待もあり押し目買いに切り返す展開となった。しかし、方向感に欠き往来相場から抜け出せない状態が続いた。商いは乏しく前場の東証1部売買代金は1兆円台を割り込んだ。ただ、韓国や台湾、中国などアジアの株式市場で総じて堅調となったことが日本株を支えた。結局、前営業日比2円高の2万9685円とわずかに上昇して3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:日米首脳会代の共同宣言についてリスク回避の円買い

ドル/円は、米長期金利低下を眺めて108.55円付近へ下落した。16日に行われた日米首脳会談の共同宣言について、中国が不満と反対を表明していることもリスク回避の円買いを誘った。ただ、心理的節目の108.50円に接近すると下げは一服となった。その後は、値ごろ感からドルの押し目買いが入り、108.65円付近へ値を切り返した。午後は、米国の金融緩和政策が長期化するとの思惑から仕掛け的なドル売り・円買いが持ち込まれ、108.50円付近まで下落した。米国株先物が軟調なこともドルの押し下げ要因となった。ユーロ/ドルは、ドル/円のドル安が波及して、1.19ドル台半ばから1.19ドル台後半へ水準を切り上げた。

 

日本の3月の貿易収支は予想上回る黒字幅

財務省が本日発表した貿易統計速報によると、3月の貿易収支は6637億円の黒字となり、黒字幅は予想を上回った。輸出は前年比16.1%増の7兆3781億円と、2ヵ月ぶりに増加した。自動車や非鉄金属、プラスチックがプラスに寄与した。輸入は前年比5.7%増の6兆7144憶円と、2ヵ月連続で増加した。医療品や鉄鉱石、電算機類の輸入が増えた。輸出のうち、米国向けは前年比4.9%増の1兆2395億円と5カ月ぶりに増加した。欧州連合(EU)向けも同12.8%増の7145億円と、20ヵ月ぶりにプラスに転じた。対中輸出は前年比37.2%増の1兆6344億円と9ヵ月連続で増加した。プラスチックや原料品、非鉄金属の輸出が伸びた。単月の実績と同時に公表した2020年度の貿易収支は1超3070億円の黒字となり、3年ぶりに黒字を確保した。

 

暗号資産の急落:急落理由は定まらず

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインが急落した。情報サイトのコインデスクによると、ドル建て価格は日本時間19日朝に1ビットコイン=56,000ドル前後と、14日に付けたた最高値(64,000ドル台後半)を1割超も下回る水準で推移した。18日には52,000ドル台まで水準を切り下げる場面もあった。急落の理由については定まっていない。米ブルームバーグ通信では、18日に『米財務省が暗号資産を利用した資金洗浄対策を強化するという懸念が急落を招いたという情報がネット上で流れた』と伝えた。一部上昇サイトは、暗号資産に不可欠なマイニング(採掘)を多く実施しているとされる中国・新疆ウイグル自治区で起きた停電が切っ掛けと伝えている。

 

22日のトルコ中銀の金融政策委員会の議事要旨に注目

先週開催されたトルコ中銀金融政策決定会合では、主要政策金利である1週間レポレートは19%で据え置かれたが、声明では(昨年11月以降強まっていた)タカ派姿勢が明らかに後退した。インフレが加速しているにもかかわらず、いずれ中銀が利下げに踏み切るとの思惑がくすぶり続ける中でリラは買いづらい。なお、22日には、今回のトルコ中銀が金融政策委員会(MPC)の議事要旨を公表する。普段はそれほど材料視されないが、今回は声明内容を変えてきたため、どのような意見がMPC内で出ていたか注目される。想定以上にハト派に傾いていた場合、リラの下値を試す場面もある。 ただ、15日の中銀会合後の値動きを見る限りでは、下がったところでは買いたい向きは意外と多そう。投機筋は既にリラショートで待ち構えているとの見方もでき、下落後の反発には警戒が必要である。

 

トルコとギリシャの外相会談では非難の応酬

トルコの首都アンカラで15日、チャブシオール外相とギリシャのデンディアス外相が会談した。東地中海の資源開発などをめぐり鋭く対立してきた両国は、今回の会談で関係修復を図ったが、会談後の記者会見では両外相が非難の応酬を繰り広げ、かえって相互不信の根深さが浮き彫りとなった。会見は当初友好的な雰囲気で進んだ。しかし、デンディアス氏がトルコによる東地中海での『主権侵害』に言及すると、チャブシオール氏は『侵害はない』と主張した。さらに『メディアの前でトルコを非難するなら、私もやり返さざるを得ない』と憤りをあらわにした。これに対し、デンディアス氏は『何も問題がないようには振る舞うことはできない』と反論した。チャブシオール氏は『緊張が続くことを(ギリシャが)望むなら、われわれも同じようにする』と述べ、けんか状態になった。両国は今回の外相会談の成果次第で、首脳会談の開催も視野に入れていたが、展望は不透明になった。

 

21日の南ア消費者物価指数に注目:利上げ期待論が出てくる可能性も

2月の南ア消費者物価指数(CPI)は2.9%増と、SARBの目標バンド3-6%を下回ったので早急な利上げは考えにくい。また、クガニャゴSARB総裁が『インフレ予測のリスクは均衡しており、金融緩和策の継続は可能』『インフレ見通しを見る限りでは政策を調整する必要はない』と発言し、早期の利上げはないと打ち消しに走ってもいる。しかしながら、前回のSARB金融政策委員会(MPC)では今まで利下げを主張していた2人が据え置きに転じている。今週は21日3月のCPIが発表されるが、市場では3%前半まで回復し、再び目標バンドに戻るとの予想になっている。予想通りになればSARBが否定しても、利上げ期待論が出てくる可能性もあり、ランドの下支えとなる。ただし、米露関係、米中及び多くの国が中国との関係悪化などの地政学リスクで、新興国通貨買いの梯子が外されることには要注意である。

 

メキシコではエネルギー産業を巡る国内ので争い

14日にはメキシコ下院で民間石油企業による石油製品の輸入許可撤回を可能にする法案が可決された。国家主導のエネルギー戦略を進めるロペスオブラドール大統領の肝いり案件だが、石油製品市場での公正な競争に悪影響を与えるとして経済界から意見書が送られており、企業側の反発は必至とみられている。また、先に成立した電力産業法改正法案も施行早々に裁判所から適用差し止めを命じられており、エネルギー産業を巡る政府、民間企業、そして裁判所の争いは今後も続くことになる。

 

欧米市場イベント

○17:00   2月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○18:00   2月ユーロ圏建設支出
○21:15   3月カナダ住宅着工件数(予想:25.00万件)

 

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