FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:週末で買い持ち高を膨らませる動きは後退

前日の米国株高の流れを引き継ぎ、早々に上げ幅を拡大して3万円回復した。しかし、3万円回復後は達成感から利益確定売りに押される展開になった。NYダウ先物とアジア株の軟化も重石となり、上げ幅を縮小する展開になった。後場に入った直後は値を消す展開となったが、中盤からは押し目買いに支えられ上げ幅を再拡大した。しかし、週末とあって買い持ち高を膨らませる動きは続かず、引けにかけては上げ幅が縮小する展開になった。結局、前営業日比59円高の2万9768円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:終日109.40円付近でもみ合い相場

ドル/円は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、109.30円を挟んでもみ合い相場となった。本日は実質的な五・十日にあたり、仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。午後は、米長期金利上昇を眺めたドル買い・円売りが入り、109.43円付近までじり高となった。ただ、週末を控えて上値では利食い売りも見られ、109.40円前後で取引された。ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇がユーロ売り・ドル買いを誘い、1.19ドルを割り込んで1.1890ドル台へ軟化した。

 

海外投資家は2020年度は4年ぶりに買い越し

海外投資家(外国人)による日本株買いが戻ってきた。2020年度は4年ぶりに、5168億円買い越した。新型コロナウイルス禍からの景気回復期待が広がり、海外投資家は日本株にも資金を振り向けている。東京証券取引所が8日発表した投資部門別売買動向をもとに集計した。株高局面で国内勢は利益確定売りを膨らませ、個人投資家は2兆8406億円を売り越した。投資信託は3兆272億円の売り越しとなった。海外投資家は年度初めの20年4~6月はコロナ禍の経済活動停滞への警戒で売り越しが続いてきたが、世界各国の金融緩和やワクチン普及への期待が高まると買い越しに転じた。米大統領選があった11月の買越額はおよそ1兆5113億円と、1年7カ月ぶりの高水準に膨らんだ。日経平均株価は20年度に54%高と、上昇率は48年ぶりの大きさとなった。同期間にダウ工業株30種平均は50%高、独DAX指数は51%高、香港ハンセン指数は20%高となっており、日本だけでなく、世界的に株買いが活発となった。

 

ECB議事要旨では悲観的な見通しが後退

欧州中央銀行(ECB)は3月理事会議事要旨で、もし、条件が満たされれば、資産購入を縮小する用意があるとした。また、新型コロナウイルス感染が収束せず、再度ロックダウン入りしたことなどから景気回復の遅れも懸念されていたが、同時に、ワクチン接種ペースが加速していることが明らかになり、悲観的な見通しが後退しつつある。

 

トルコ中銀の発表では外貨準備高が減少:外貨の枯渇が警戒

トルコ中銀が昨日発表した2日時点の外貨準備高は前週比5.5%減、1年前と比較すると17.4%減まで落ち込んだ。アーバル・前トルコ中銀総裁の就任後に外貨準備高は回復傾向にあったが、突然のアーバル氏解任を受けてリラが暴落したことで中銀はドル売りリラ買い介入を再開した模様である。ただし、為替介入の効果は限定的と市場に見られており、今後は準備高の枯渇が警戒される。

 

南アのリスクは感染第3波の拡大

他の新興国よりも経済が回復気味なことや商品価格の上昇、輸出が好調なことがランドの支えになっている。上値を抑える要因としては南アの感染第3波によるロックダウンだが、南アの専門家の意見としては第3波は4月下旬頃に甚大になるとの予想が出ている。ラマポーザ南ア大統領がイースター期間中に酒類の販売を制限したことで、感染は拡大しているものの、スーパースプレッダーはまだ発生していないとしている。

 

米国雇用の強い伸びが継続できるかが焦点

労働省が発表した最新の週次新規失業保険申請件数(3日まで)は前週比1.6万件増の74.4万件と、前回72.8万件から予想外に2週連続で増加し、2月末以来の高水準となった。4週平均も72.4万件と、3月中旬来の高水準。失業保険継続受給者数(3月26日まで)も373.4万人と、前回375万人から減少したが予想を上回った。半導体不足で、いくつかの自動車生産工場が閉鎖されたことなどが影響した可能性に加え、経済活動の再開状況が各州異なり、不安定となっている。全米で最大規模のカリフォルニア州、ニューヨーク州の経済活動の再開が遅れ、申請件数が増加しており、全体指数を押し上げている。 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は3月の雇用統計の改善を歓迎したものの持続的な雇用の増加が必要とし、依然900万人近く失業中だと再度、訴えた。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も、労働市場に多くのたるみ(スラック)が存続し、『実質失業率は9.1%だ』と主張している。3月の雇用統計は100万近くの増加を見せたが、今後、強い伸びが継続できるかが焦点となる。

 

欧米イベント

○14:45   3月スイス失業率(季節調整前、予想:3.6%)
○15:00   2月独鉱工業生産(予想:前月比1.5%/前年同月比▲2.3%)
○15:00   2月独貿易収支(予想:203億ユーロの黒字)
○15:00   2月独経常収支(予想:213億ユーロの黒字)
○15:00   3月ノルウェーCPI(予想:前月比0.4%/前年比3.5%)
○15:45   2月仏鉱工業生産指数(予想:前月比0.5%)
○16:30   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○20:00   2月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比▲0.5%)
○21:00   3月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比1.03%)
○21:30   3月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化10.00万人/失業率8.0%)
○21:30   3月米PPI(予想:前月比0.5%/前年比3.8%)
      食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.7%)
○23:00   2月米卸売売上高
○23:00   2月米卸売在庫(予想:前月比0.5%)
○23:00   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行春季会合(テレビ会議、最終日)

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